2/2014
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 ㈱デンソーは企業内訓練校を持ち,職業訓練生の育成を行っている。教育はデンソー技研センターで実施され,訓練課程には工業高校(工高)課程,高等専門(高専)課程,海外留学生課程があり,14年4月現在,全員で199名の職業訓練生が学んでいる。 また,より高いレベルの技能のスペシャリストを育成するために技能五輪訓練を行う技能開発課程がある。この技能開発課程は技能五輪全国大会や国際大会にて多くのメダリストを輩出し,デンソー及び,国内外のデンソーグループ会社における技能伝承の一翼を担っている。 デンソーでは「事業成長に貢献できる意欲・能力を持った創造性豊かな人材を育成すること」を方針として「ものづくりは人づくり」の考えのもと,人材育成を進めている。「心・技・体」という言葉があるが,まず「心」では価値観(デンソースピリット)の共有化を図り,「技」では技術と技能をたゆみなく切磋琢磨できるスキルを向上させることが必要だと考えている。さらに,その2つの育成のコンテンツだけでなく,これを支えるために自立的にスパイラルアップできる目標→能力伸展→評価→処遇というしくみづくりも重要と考え,この3点をバランスよく進めていく「三位一体活動」で人材育成に取り組んでいる(図1参照)。 そのなかでデンソー技研センターは,理論と実践を身に付ける「実学一体教育」で,デンソーのモノづくりをリードする人材を育成することを目的として4つのセクションで人材の育成を図っている。 まず1つ目は,将来,職場の核となる自律創造型人材を育成するための「デンソー工業学園」である。2つ目は,高い技能・強い精神力・豊かな創造性を持った高度熟練技能者を育成するための「技能五輪」,3つ目は,モノづくりの現場の第一線で活躍できる技能者として必要な知識・スキルを身に付ける「技能研修」である。最後の4つ目は,事業戦略に貢献できる技術者の育成を図る「技術研修」である(図2参照)。 今回は,この4つのなかから「デンソー工業学園」と「技能五輪」の2つについて紹介をする。企業の訓練株式会社デンソー技研センター 技術開発部長塩崎 秀正図1 「技」と「心」と「しくみ」の三位一体活動-21-1.はじめに2.デンソーにおける人材育成企業の訓練企業の訓練デンソーの技能五輪への取り組み

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