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 図11荒取り加工の様子,図12仕上げ加工の様子を示す。歯車の素材はアルミニュム合金を使用し,荒取り加工はφ16ボールエンドミル,仕上げ加工はφ10のボールエンドミルを使用している。 大まかな加工手順は,次のようになる。① ⑽⑾⑿式により加工開始位置の演算。② 演算結果をもとにエンドミルを加工開始位置まで移動。③ スパイラル加工 G02Z____C______F_______ またはG03 Z___C_______F_________④ 工具を安全位置に逃がす⑤ ①から④まで歯車形状に合わせて繰り返す 加工開始位置の計算はNC制御装置に組み込まれている演算機能(カスタムマクロ機能)を使用して,①から④までのカスタムプログラムを作って加工を行った。プログラムは50行程度と非常に短くなった。 5軸マシニングセンタ(MC)による少数歯歯車の加工には,3次元CADシステムと5軸(直交3軸と回転2軸)のCAMシステムを使用した。5軸のMCの加工では,まず工具また工具ホルダーとワークおよびチャックへの干渉が課題となり,さらに,図13のように5軸加工では,チャックワークつまりワークが片持ち梁となるため,切削中にビビリの発生が課題となった。5軸加工では,切削加工中の工具進行方向に対する工具の傾き角をリード角,進行方向に直角な方向の傾き角をチルト角と呼び,両者をうまく組み合わせることで良好な工具姿勢を作ることができため,仕上げ面性状改善や切削能率を改善することができる。上記の工具や工具ホルダーのワークとチャックへの干渉する問題は,リード角とチルト角を変更することで回避を行った。しかし,加工中のビビリについては,対応が難しく,⑿4.2 ターニングセンターよる実際の加工5.5 軸マシニングセンタによる少数歯歯車の 加工図11 荒加工の様子技能と技術 4/2013図13 5軸マシニングセンタによる様子-36-図12 仕上げ加工の様子

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