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5.参加を通した人材育成に関する成果を要し,また回転数を変換するためのギアチェンジも固く時間をロスしてしまった。加工途中小さな加工ミスが2ヵ所,時間制限オーバーの焦りから大きなミスが1ヵ所発生。やすり作業も暑さ,本番の緊張で思いどおりのやすり掛けをすることができなかった。結果は3時間19分で図15の見本に示す競技課題の加工を終了した。 今大会に参加してさまざまな課題を残す結果となった。課題点をあげると実機での練習不足が特に目だつ形となった。横送りハンドルが重く荒削りにかなりの時間を要してしまったこと。そして競技会場が異なった気候のため熱中症対策が必要なことである。また競技会場のフライス盤が角ねじ仕様のためバックラッシが大きいので注意が必要である。第8回大会の対策としては,競技使用機械での加工練習を何度も行い,8月の猛暑に対応できるよう準備すること。そして体調管理は常に万全を維持することが重要であると思われる。 今回この若年者ものづくり大会フライス盤職種に参加させていただき,ものづくりの大切さや難しさ,楽しさを感じることができた。反省点は他の選手に比べて,練習時間が足りないと感じたことである。大会が8月に開催されるが,おそらく遅くとも1年前からの練習が必要である。授業時間以外の毎朝7時〜8時30分,16時30分〜20時までの練習では全く足りない。第8回大会に出場の選手は練習量-28-を増やしてほしい。対策でも述べたが,環境の全く異なる地域での競技になるので,実機での練習や暑さ対策を十分に行う必要がある。第8回大会出場の選手には今回の私の経験を次年度に生かし,全力を出し切って良い成績を収めてほしい。 今回の第7回若年者ものづくり競技大会に参加させていただき,指導者の立場からみた人材育成におけるメリットについて考察した。内容を以下にまとめる。① 目標に向かい日々努力することによって,どのように技能が向上するか身をもって体験させられた。② 競技を経験することにより,全国大会出場選手の技能レベルと選手自身の技能レベルにどのくらいの差があるのかを知らせることができた。③ 練習時間が足りなかったという感想があげられていたが,早くから取り組むことの重要性,そしてスケジュール管理の重要性を理解させることができた。④ 選手自身で加工工程などを考えさせることにより,指導者の指示を受けてから行動するのではなく,まず自身で考えるということが身に付けられた。⑤ 就職活動時において競技会出場という良いアピールポイントとなった。結果的に選手の就職活動状況は1年生時の3月から2年生時の5月の間にかけ,ほぼ1社目の受験で選手全員が企業より内定を頂けた。 上述のように競技会への参加は人材育成という面において多くの成果をもたらす結果となった。デメリットをあげるとするならば,競技課題のレベルが年々向上していることから使用工具や測定器類など費用の面において苦労する場面が増えている。しかしながら,選手が日々努力し成長する姿を間近で見続けている指導者の立場においては喜んで投資すべきであると考える。選手全員が努力を重ね,就職活動においてもそれぞれ希望する企業に入社できたこ4.4 第8回大会へ向けての対策4.5 出場選手の意見ならびに感想図15 フライス盤職種競技課題完成品見本技能と技術 4/2013

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