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2.機械製図(CAD)職種4名の選手が日々技能の向上に努めた。なお,旋盤職種出場の白戸選手は第6回大会⑶にも出場していることから2大会の比較なども併せて報告する。 平成24年8月7,8日の2日間,図1に示す岩手県滝沢村に位置する岩手産業文化センターアピオ⑷にて機械製図(CAD)職種の競技が開催された。昨年度は兵庫県での開催であったが,第7回大会においては「東北の被災地を盛り上げる」のもと,本大会は岩手県での開催となった。 本競技は制限時間以内に図2に示す課題図に示された組立図の中から,指定された1部品を抜き出し条件付きの図面を3時間30分以内に作成する。提出する部品図には必要なすべての寸法や幾何公差,表面粗さを記入し,図面の見栄えや正確さを競う。競技内容と同様のものが技能検定機械プラント製図職種(以下「プラント製図」と呼ぶ。)であり,合格することが非常に困難な職種と言われている。この競技は空間認識能力(3次元形状を把握する能力)の高い選手に向いている職種であり,パソコン世代と呼ばれる現在の学生にとってCAD技能の習得という面においてはそれほど難しくはないのかもしれないが,空間認識能力をどのように向上させていくかは指導者の立場として難しい課題である。 実際に今大会へ向けて取り組み始めたのは昨年の9月頃からである。CADソフトはAutoCAD 2013を使用することとした。まずCAD技能向上のためCADトレース技能審査(初級・中級・上級)⑷の過去問題を制限時間内で作成できるようになるまで何度も練習を繰り返させ,CAD技能の向上と併せて幾何公差や表面性状など機械製図の知識習得にも努めた。機械要素については技能検定機械保全職種を受検していたことから関連知識は機械保全の内容から多くのことを得ることができていた。その後プラント製図に取り組んだ。4月からプラント製図3級の過去問題に取り組んだがイメージを掴むことに大変苦労しており,多くの時間を費やしてしまった。3次元形状をイメージする能力を身につけ正解に近い図面を作成できるようになったのは6月中旬頃であった。取り組みの遅さをこのとき選手は後悔していた。6月中旬から7月中旬までプラント製図の2級課題に取り組み,最後の総仕上げとして若年者ものづくり競技大会の過去問題に取り組んだ。また選手両名とも非常に朝が苦手な体質であることから週末の練習では可能な限り本番と同じ午前の時間帯で行い,競技時間に身体を慣れさせることも常々行ってきた。そのおかげで週末も遅くまで寝ていることはなく,不規則であった生活のリズムが改善されたことが実感できた。2.1 機械製図(CAD)職種競技概要図1 競技会場(岩手産業文化センターアピオ)技能と技術 4/20132.2 大会出場までの活動報告図2 機械製図(CAD)職種競技課題図-22-

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