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東京都発達障害者支援センター(TOSCA)神保 育子-12- 発達障害者支援センターは,自閉症などの発達障害のある人とその家族が,安心した暮らしを営むことができるよう,その総合的支援を行う地域の拠点として,平成14年度より国の施策として発足した。平成25年2月現在,全国都道府県ならびに政令指定都市,ブランチを含め85ヵ所設置されている(発達障害支援・情報センターHP記載による)。発達障害者支援センターの主たる業務は,①発達障害にかかわる相談や問い合わせへの対応,②関係機関・団体との連絡・連携,③啓発セミナーや育成研修の実施,機関コンサルテーションなどの依頼への対応とし,支援対象は居住地域におけるすべてのライフステージにある本人や,家族,本人にかかわる関係者である。 東京都発達障害者支援センター(TOSCA)(以下,トスカとする)は,平成15年1月東京都より社会福祉法人嬉泉が事業(当初は東京都自閉症・発達障害支援センター)を受託し,今年で10年を経過した。これまでに,平成17年4月発達障害者支援法が施行され,徐々に発達障害について普及・啓発もすすむなか,発達障害にかかわる支援のための制度・施策も整備されつつあるが,トスカへ寄せられる困難な状況にある相談は,増加する一方である。本稿では,相談支援等から得た本人や家族の社会における生活・就労の現況や実態を示し,支援のあり方について課題提起する。技能と技術 3/2013 トスカにおける昨年度の相談・就労支援の実施状況をグラフに示すと以下のとおりである。1.はじめに2.トスカにおける相談支援からみる現状2  障害者に対する職業訓練 〜TOSCAの取り組みから〜発達障害のある人の就労にかかわる現状と課題

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