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6.まとめ<参考文献>る人物は今回のメイン講師のゼミ生でPID制御の内容を板書している。左側の人物は1年生に講義内容のフォローをしているゼミ生である。組込み勉強会は,企画した当初は想定していなかった教えた側のゼミ生にもメリットがあったようだ。それは昨年教わった学生が今度は立場を変えて教える側になることで得る経験である。教えた側のゼミ生の感想は,後輩へ指導することで更に組込み技術の理解が深まったり,指導するノウハウを習得できたり,教える側の準備や心持ちの大変さを知ったりできたそうだ。この経験は進学先や就職先の後輩育成などで生かせると感じたようである。 組込み勉強会2011の皆勤4名中3名はETロボコン2012東北地区大会へ挑戦し,惜しくも全国大会へは出場できなかったが電子情報技術科になってから最高の8位となった。組込み勉強会とETロボコンの成績の因果関係は明確に実証できないが,ゼミ生の感想を聞く分には組込み勉強会での伝承効果があったようだ。-38-1)経済産業省「2009年版組込みソフトウェア産業実態調査」www.meti.go.jp2)ETロボコン公式サイトhttp://www.etrobo.jp3)徳田孝明・小野貴広・漆谷嘉則:「ETソフトウェアデザインロボットコンテストへの取り組み」,秋田職業能力開発短期大学校紀要No.14 2009,p.23-284)小野貴広・徳田孝明・庄林雅了・中浩司:「ETソフトウェアデザインロボットコンテストへの取り組みと教育効果」,秋田職業能力開発短期大学校紀要No.15 2010,p.40-445)徳田孝明・庄林雅了・中浩司・小野貴広:「ロボットコンテストを通じた実践技術者の育成と教育訓練効果」,第18回職業能力開発研究発表講演会予稿集 20106)徳田孝明:「総合制作実習の先輩から後輩への継承」,第20回職業能力開発研究発表講演会予稿集 20127)Embedded Technology 公式サイトhttp://www.jasa.or.jp/et/ 組込み勉強会を3年間行ってきたが,当初は放課後の取り組みであるため1年生が参加してくれずに計画倒れになるのか心配をしていたが,就活などがなければ毎回参加してくれる学生が多く,その受講態度もよい。準備するゼミ生も卒業を控えてテストや卒研発表,ポリテクニックビジョンの準備などと重なり,忙しい時期ではあるが後輩のためにがんばって実施しているため,思った以上に運営はうまくいっている。そして組込み勉強会を受講した1年生の多くはそのままETロボコンに取り組み,組込みシステム技術やさまざまなノウハウを学び,次の年度に組込み勉強会で後輩指導へ当たっている。総合制作実習において先輩から後輩への直接的な伝承サイクルがうまく回り出したようだ。今後もカリキュラムや教材の改善を図りながら組込み勉強会を成長発展させ,先輩から後輩へ伝承する文化を作っていきたいと考えている。図7 教授しているゼミ生技能と技術 2/2013

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