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4.組込み勉強会3.早期取り組みの必要性と伝承方法構築を行う。その後サンプルプログラムを動かしてC言語の復習をしたり,モデル制作で必要なオブジェクト指向技術やUMLの基礎技術を学んだりする。5月から6月にかけてはETロボコンの技術研修会があり,企業チームや他大学チームから刺激を受けながら走行システムのモデリングやプログラミングの実践的な勉強を行う。6月からは東北地区大会用のプログラム開発を始め,7月からは東北地区大会へ提出するためのモデル開発も開始する。7月,8月には本番会場での試走会があり,相手チームの動向や戦略を分析しながら更にシステム開発を進め,9月の地区大会に出場する。上位数チームに入ると毎年11月頃に開催されるET7)(組込み業界の大展示会)内で行われる全国大会へ挑戦するスケジュールである。 ETロボコンは出場の半数以上が企業チームのためレベルが高く,また電子情報技術科の授業では習わないオブジェクト指向やモデリング技術を使って開発をしなければならない。その上,企業チームや大学チームは数年間同じ人が出場しているが,本校ではゼミ生が1年ですべて入れ替わり,毎年1から指導をし直す状況が続いている。このため本ゼミチームが全国大会へ出場することはかなり厳しい現状である。 ETロボコンの取り組みは毎年PDCAサイクルとしてモデルやプログラムの改良はもちろんのこと,取り組み方についてもゼミ生の意見を聞きながら改善している。ゼミ生からは全国大会へ出場するためには,早期(1年生のうち)からの取り組みが必要との意見が毎年挙がっていた。また総合制作実習の伝承は,教員が教授するか先輩の卒業論文を分析するかの間接的な伝承(図2上)が常である。しかしETロボコンへ取り組む伝統や意気込み,システム開発するときのコツや失敗事例などのノウハウは,学生同士が直接伝承しなければなかなか伝わらないことがわかってきた。そこで早期取り組みと直接的な伝承を行う方法をゼミ生と話し合った結果,先輩-35-ゼミ生から後輩へ直接的に伝承する「組込み勉強 会6)」(図2下)を生み出した。 組込み勉強会は表1のようにETロボコンを経験した先輩ゼミ生が興味のある1年生にETロボコンのいろはを教える勉強会である。継続して参加してもらうために,放課後の短時間活動とした。教授方法は講義で基礎知識を教授し,その後実習で確認する方法とした。 図3はETロボコンの走行システムのプログラム実習で,ロボットのキャリブレーションをするために光センサの値を取得している場面である。右側の学生が講師のゼミ生で中央から左側の学生は受講している1年生である。図4は走行システムのモデル実習で,1年生4名がグループになりホワイトボードを利用してシーケンス図を描き,走行システムの分析・設計を行っている場面である。実践報告図2 先輩から後輩への伝承表1 組込み勉強会の概要対象者講師日時回数電子情報技術科1年電子情報技術科2年のゼミ生火曜日の放課後7回程度講義と実習教授方法

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