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対するキャリア形成支援の計画的な研修の実施,ジョブ・カード講習の受講,さらに専門家との連携を含めた個別支援の具体的な実践と改善の取り組みであった。 その成果は,平成19年度以降,地域の急速な雇用失業情勢の悪化にもかかわらず,平成20年度,平成21年度の就職率は漸増し,それ以降も順調に就職率を高めていることである。取り組みのなかで発生するさまざまなケースを解決しながら,指導員の就職支援力は着実に向上していると確信している。 今回の取り組みを通じて,指導員は訓練受講者と最も近い立場から,「相談者の背中を少し押し,就職に対するモチベーションを向上させる」ということが,日頃のコミュニケーションを通じた支援のなかでできるようになったと思う。今後の方向性が定まらない者や,具体的な就職活動に行き詰った者などは,専門家である能力開発支援アドバイザー(キャリア・コンサルタント)や就職相談員が,より詳細な個別相談を行い,精神的な問題等の困難なケースについては,管理職が担当したり,専門家にリファーしたりすることができ,受講者の状況に応じた階層的な支援体制を構築することができた。技能と技術 2/2013【管理職】就職講話,接遇講話,行事等運営就職対策委員会開催,未就職者対策指示困難事例への対応,アドバイス・指導等【支援アドバイザー,就職相談員】求人票の取り寄せ・提供,求人開拓人材情報作成・配布,進捗管理自己理解,仕事理解,キャリア形成支援応募書類作成支援,面接指導,個別面談等【職業訓練指導員】訓練指導,日常コミュニケーションジョブ・カードを活用した個別面談就職支援,進捗管理,フォローアップ 取り組みを推進していくなかで,指導員が実践した個別面談において,当初は指導員からは,「1人に時間がかかりすぎてしまう。」「就職の話から発展して生活の悩みまで聴いてしまった。」「コメント欄にどのように書いていいかわからない。」等々さまざまな相談が寄せられたが,管理職という立場で常に指導員の身近にいるため,さまざまな相談事例に対して迅速に具体的なアドバイスをすることができ,スーパーバイザーの役割を果たすことになった。※役割に応じた相互連携と支援体制の構築-12-

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