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表1 クロスチェック集計表の例図1 4グループのクロスチェック・グラフ例-30- 他グループによる検査とは,1グループの出来栄えを,他の3グループが評価する。評価項目は教官が提示し,その項目に従って納品テストを行うような感覚で,各グループが検査することになる。このテストをクロスチェック⑸と呼んでいる。他グループによる検査を通して,このあいまいな仕様から出来上がったシステムがそれぞれどのように異なり,どのような特徴を持っているか,および自分のグループと,他の3グループの長所・短所などを知ることにより,ソフトウェアシステムのものづくりの難しさおよび奥深さを体感してもらえると考えている。 このクロスチェックが終了すると,予稿集原稿・パワーポイントを作成し,プレゼンテーションを行う。このとき他の教官も参加し,口頭試問のような質疑応答を通し学生の理解度を観察できる。 学生には,このクロスチェックの集計結果と具体的な評価文言を整理した集計表(表1)およびその集計結果のグラフ化(図1)したものとを渡すことにしている。この資料は,自グループの長所・欠点および他グループの長所・欠点を比較検討でき,今後の反省材料となる。この評価内容について,積極的な学生は,教官が未だ整理中のときに,評価結果の原本を今後の参考にしたいので見せてもらいた技能と技術 1/2013い,と申し出てくる人もいる。 しかし,生のクロスチェックの資料は,評価者の個人が特定できるので,名前を伏せて整理したものを提示するようにしている。 このように,標準課題においては,初めに入口でのレベルを教師が知るための「見える化」を行い,終わりの評価は,アンケート,クロスチェックとプレゼンテーションにより作品を通した「見える化」による評価を行っている。

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