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3.軸間距離Lの設定5.従属歯車のピッチ曲線の求め方4.創成法による非円形歯車の製作手順e1点を求める。図4 基準歯車のピッチ曲線の平均半径技能と技術 1/2013 回転中心O1とする基準歯車のピッチ曲線の平均半径Raは次の⑶式で示される。図4のようにa(θ)は基準ピッチ曲線上の任意の点C1の半径を示し,X軸となす角をθ,Sはピッチ曲線の周長を示す。近似的には,基準ピッチ曲線をnに分割し,分割したピッチ曲線の線分の周長を⊿Skと半径akから求めることができる。外歯車の軸間距離Lは平均半径Raの整数倍になるので,次の⑷式で L=Ra(1+n)   n=1,2,3…で表せる。 1組の非円形歯車の創成法による製作手順を次に示す。創成法は,基準歯車と従属歯車のブランク(歯が未加工の素材)を互いのピッチ曲線が転がり接触するように両者を回転させて,基準歯車をカッターとして,従属歯車との干渉部分を除去加工して,歯切りを行う方法である。[製作手順]① 基準歯車のピッチ曲線を作成する。② 基準ピッチ曲線から平均半径を計算し,軸間距離を設定する。③ 基準ピッチ曲線をもとに転がり接触をする従属-24-歯車のピッチ曲線を作成する。④ 2つのピッチ曲線の座標データをCADシステムに入力し,画像データに変換する。⑤ 画像化した基準歯車のピッチ線上に歯形を描く。従属歯車は簡単な図形で歯車ブランク描く。⑥ 基準歯車をカッターとして2つのピッチ曲線が転がり接触するように相互に回転させながら従属歯車のブランクをCAD上で除去加工を行うことで製作する。結果として,従属歯車の形状が包絡線として浮かび上がる。⑦ この包絡線をもとに従属歯車の加工を実際の工⑶⑷作機械を用いて加工する。 基準歯車のピッチ曲線は,実際の機械に用いる場合,適用される機械が必要とする角速度や角加速度の曲線から算出されるのが一般的であるが,ここでは,ピッチ曲線が与えられているものとする。なお,ピッチ曲線に歯形を設定する場合,歯車の圧力角が大きくなると,トルクの伝達効率が低下するのであまり圧力角が大きくならないようにする。 作図例として,図5に四角形の基準歯車のピッチ曲線の図形から作図により従軸側歯車のピッチ曲線を求める方法について示す。[従属歯車のピッチ曲線の作図方法]① 曲線上に作図用の点をd0から順番にc1,c2,c3・・・・・・をとる。なお,作図用の点の間隔は小さいほうが精度良くなる② O1を中心に接触点c1の半径r1で円弧を描き,O1とO2を結ぶ中心線との交点からd1を求める。③ O2を中心に線分d1O2を半径とする円弧を描く。④ 線分d0c1の長さと線分d0e1が等しくなるように⑤ 同様にc2点d2点も求め,O2を中心に線分d2O2を半径とする円弧を描く。⑥ 線分c1c2の長さと線分e1e2が等しくなるようにe2を求める。⑦ 下同様にe3,e4・・・・・・・求め,その点を結ぶと,従軸側のピッチ曲線を描くことができる。

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