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2.かみ合う歯車のピッチ曲線の条件⑴⑵図2 歯車構成-23-図3 ピッチ曲線と軸間距離[条件1]かみ合う歯車の2つのピッチ曲線は相互に転がり接触で回転すること。 2つの閉曲線が互いに滑ることなく回転するためには,常に軸間距離Lが一定あること。図3に示すよう回転軸中心O1から接触点Pの距離a1と,もう一方の中心O2から接触点Pまでの距離a2とすると,軸 そこで,CAD/CAMシステムを用いて非円形歯車を製作した事例についてご紹介する。本事例では,創成法と総形法(図1参照)による歯切り法について示す。 一般的な円形の標準歯車と同様に数学的に非円形歯車の形状を求めようとすると非常に難しい。 そこで,製作の観点から,歯車を図2のようにピッチ曲線(摩擦車)と歯形に分けて考えることにする。歯車のピッチ曲線は円形歯車では円形であるが,非円形歯車では,円形の以外の閉曲線となる。円形歯車の歯形にはインボリュート曲線やサイクロイド曲線を用いたものが一般的である。 ここで,2軸に取り付けられた2つの歯車が回転するためのピッチ曲線の条件を次に示す。[条件2]2つピッチ曲線の周長が整数倍または1/整数倍になること。 非円形歯車の場合,条件1を満たすために,1枚目の歯車のピッチ曲線上の任意の点は,もう一枚の歯車のピッチ曲線上の常に決まった位置(回転角)で接触しなければならない。したがって,基準歯車の円周の長さの整数倍となる。つまり,それぞれの歯車のピッチ曲線周長をS1,S2とすると次式で示される。ただし,S1は,基準歯車のピッチ曲線の周長を示す。 S1=n・S2n:正の整数(1,2,3…)間距離a1+a2が一定でなければならない。したがって,次の⑴式が常に成立することが条件となる。 L=a1+a2実践報告

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