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1.緒 言2.FMEA(Failure Mode and Effects 対策順位致命度発生頻度表1 基本的FMEAワークシート原因2.1 FMEAの概要職業能力開発総合大学校中村 瑞穂影響サブシステムシステム安全性-11-2Analysis)システム        機器名機能故障モード FMEA(Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析)は,国内および海外でも製品開発から運用までのすべてのライフサイクルにおいて製品,運用の問題を解決するツールとして活用されている手法である。 職業能力開発分野では在職者訓練(能力開発セミナー)では人気コースとなっている。 学卒者訓練(専門課程,応用課程)では担当者,テーマにより総合製作実習,開発課題で行われている程度であるが「実践技術者(テクニシャンエンジニア)」,「生産現場のリーダ」などの養成には必要な技術である。 本報では代表的空気圧制御システムの構成例を定めて,各種コンポーネントについてFMEAを行い,安全に関係する故障モードの抽出を行い,安全システム構築に必要な条件を検討した。 第2章ではFMEAの概要と解析手順について示した,第3章では解析対象となる代表的空気圧制御システムの構成例を示し,各種コンポーネントについてFMEAによる解析結果を示した。第4章ではFMEAの解析結果について考察を行い,空気圧制御システムでは圧力上昇,下降の両側に安全に関係する故障モードが存在すること示した。その結果,圧力上昇,下降についての監視機能が必要であることを考察した。 さらに,第5章では今回のFMEAの解析結果について教育訓練での活用した場合に予想できる効果について述べることより実践技術者育成のための資料として供したい。 FMEAは信頼性解析手法の1つで,システム(装置・機器)を構成する部品や機器で発生した故障が上位のサブシステムやシステムへ及ぼす影響を表1のようなワークシートを使用して解析する手法である。FMEAは品質管理,信頼性,保全性,安全性対策安全に対する取り組み2  安全に対する取り組み FMEAによる空気圧制御システムにおける安全性解析の実践

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