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4.取り組みの成果と課題図5 熟練技能者演習(上)と同環境で学ぶ学生達-9-(すべての若手ではないが,60〜70%余り)。⑨ 問題を問題と思っていないこと。⑩ 職場の生産管理の基礎。ものづくり現場のあるべき姿を知ろうとしない。⑪ 現場は協力が必要。今の若年は個人的なところが多いため,多数が協力して物を作ることが苦手と思う。⑫ 手本により,重点および危険性ならびに体で覚えた点に触れる。⑬ 仕事に対して,問題点を見つけられるか,指摘できるか。⑭ 指導者は内容に対する準備「資料,指導内容,視覚,演習,確認」をどの程度すればよいのか。⑮ 何回指導しても理解が得られないため,あせりを感じる。⑯ 社会的なマナーが今一つできていない点が多く,若手との考え方に差がでる。⑰ 勤務時間内に安全指導の時間がとれない。成果が即数字で表れないため。⑱ 3Kをきらう。しかしその向こうに大きな光があることに気がつかない。など,これらの高度熟練技能者が若手に指導するときに問題と思うことは,指導すべきニーズであり職業訓練の立つ位置でもある。・グループとは,行動を共にしながら意見や考え方を異にしているため指導が必要。チームとは,適材適所,みんな努力する。チーム活動の実践として,指導案演習,KYTは有用である。・態度はだれでも同様に発揮しなければならないが,性格は個々の個性として尊重される。性格はどうであれ,仕事では望ましい態度を発揮することが求められる。・指導の3段階(導入・展開・まとめ)と4活動(動機づけ・提示・適用・評価)に沿った,熟練技能者に支持される有効な指導案演習と,机の水拭き典型課題作業実演を,同じ環境で取り組む学生達を,図5に示す。熟練技能者達への指導演習から,コミュニケーションスキルの向上に指導案演習が有用であると気がついた。熟練技能者達の熱心な演習風景は,学ぶ学生の熱意を伸ばす効果があり,指導案も技能継承として大切なノウハウである。 技能・技術を指導する指導員—学生間の関係構築ができている指導員が実施する安全衛生職業訓練と指導案活用によるヒューマンスキル,コンセプチュアルスキルの有用性は3年間の取り組みでスキル向上の効果をあげることは見えてきた。しかし,高度なテクニカルスキルが好きな学生が多いことから,それだけでは学生は生産現場の業務遂行形態を意識できない。学生の安全衛生職業訓練の行動・態度は受け身であるが,安全衛生活動の学びの「場」として,「理念・手法・実践の場」を与えればしっかりと,ものづくりの安全衛生に取り組んでいる。安全衛生管理は,仕事の視点を高めるための課題でもある。ものづくり現場で実施されているゼロ災運動を知り,指導内容を整理・整頓することは,指導側の「強み」と「弱み」を把握することができ,安全衛生教1

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