4/2012
5/50

1.はじめに2.障害者との出逢い京丸園株式会社 代表取締役鈴木 厚志-3-1 京丸園は,静岡県浜松市にあります。農家の長男として生まれ1985年(20歳)に父親が経営する農園に就農。2004年,かかわる皆さまの心と身体の健康を応援する総合農園の建設を目指し『笑顔創造』を経営理念に法人化し第9期の農業生産法人です。 現在,総勢72名(役員4名,社員4名,パート64名)の組織となっています。経営の柱である水耕部では,「毎日,緑を食卓に!」をテーマに京丸園姫ねぎ・京丸姫みつば・京丸姫ちんげんを周年栽培し全国40市場へ出荷しています。 土耕部では,「孫に食べさせたくて!」をテーマに合鴨を利用し無農薬のお米,土地の利を生かしたごぼう等を生産しています。そして,「農を通した働きの場づくり」をテーマとした心耕部を配置し障害者雇用や研修受入れ等を行っています。 農園の特徴は,老若男女が障害を持つ者と共に働いているところです。従業員最年少は17歳,最高齢者は81歳(平均年齢43.8歳),障害者は20名(障害者割合27.7%),知的・身体・精神障害とさまざまですが皆元気に仕事に取り組んでいます。 障害者との出逢いは18年前になります。障害を持つ子に付き添い母親が働きの場を求めて面接にやって来ました。「障害を持つ方が農業現場で働くのは無理」と思い込んでいたため採用をお断りしました。それからも何組もの親子が面接にやって来ましたが応えは変わりませんでした。 しかし,必死に頼み込む親子の熱意に押され,採用を考え始めました。特に印象に残っているのは障害者の母親の言葉です。「給料は要りませんから働かせてください」と。どういう意味なのでしょう?障害者に対する職業訓練1京丸姫ちんげん水耕栽培出荷調整場  障害者に対する職業訓練 だれもが参画できる農業ユニバーサル農園への挑戦

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る