3/2012
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図6 ウッドセラミックスの焼成温度と曲げ強度の関係5)●:フェノール樹脂含浸率:68.9%▲:フェノール樹脂含浸理t:0%図5 ウッドセラミックスの焼成温度と密度の大きさの関係4)図7 ウッドセラミックスの焼成温度と体積固有抵抗値の関係6)図8 ウッドセラミックスの温度と湿度の関係12)-29-設定する焼成温度の違い,あるいはフェノール樹脂を含浸するときの含浸率の違いにより,異なる密度値の材料を得ることができることである。 図6は,ウッドセラミックスの曲げ強度について示した図である5)。図より,ウッドセラミックスの曲げ強度は,焼成温度の違いにより異なった曲げ強度を示し,フェノール樹脂の含浸率が多いほど曲げ強度は大きくなる傾向を示す。比較材としてのフェノール樹脂の含浸率が0%の木炭は,ウッドセラミックスと比べて,曲げ強度は小さく,機械的強度の小さい材料であることがわかる。 図7は,体積固有抵抗値と焼成温度の関係を示した図である6)。図より,ウッドセラミックスは絶縁体から半導体,そして導電体と,焼成温度の違いによってさまざまな特性を有する材料である。焼成温度を制御して,所望する特性を得ることが可能である。 図8は,ウッドセラミックス(WCS)の調湿性能について示した図である12)。図より,ウッドセラミックスは多孔質構造を有することから,調湿性能を有する材料といえる。 図9は,摩擦係数と比摩耗量に及ぼすウッドセラミックスの焼成温度の影響について示した図である13)。 図より,焼成温度800℃以上で炭化させたウッドセラミックスは摩擦係数が約0.15,比摩耗量10-8mm2/N以下と低摩擦かつ低摩耗を有することがわかる。 以上,ウッドセラミックスの有する材料特性について述べた。これらの特性を生かしたウッドセラ実践報告

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