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9.ソーラーコミュニティー論への可能性なったとの感想を得た。 大切なことは,自然には自立のメカニズムが,すでに,入っていることである。この自然の有するメカニズムと同調させながら,私たちの生活空間を創造していくことが,今問われている。自然のメカニズムを壊してまで,進める人工の生活空間の構築は,すでに,永続性と持続性とを,失っている。自然そのものは,自立型の持続的メカニズムを内包した空間の拡がりであり,そこに生態系があり,これが人間生活のバックグラウンドとなっている。この背景を壊して考える人工環境の構築には,永続的未来は期待できない。今,地球環境との同調性が問われるとき,自然の有する持続型のメカニズムと同調させる志向性が,有意義と考えられる。 今後の方向性としては,住宅建築としての目的因に関しては,自然エネルギー併用型の住宅を志向し,環境配慮型のより自立した住宅づくりを志向し,もって,生活空間に関しても,自浄作用を有する自然のメカニズムを取り入れ,ごく自然な形での持続可能な生活空間を創出することであると考える。教育現場においても,この点での導入を図っていきたいと考える。 発展的には,今後の設計方法論の中のアルゴリズミックデザインの発達により,そこに建築形態の変化を促し,生態系を取り入れた建築の有り方にも近-38-づき,その動向としては,自然エネルギー利用を促進する方向に動いていくことを願ってやまない次第である。 これまでの7年間に及ぶ総合制作実習の成果を踏まえて,UIA2011東京大会第24回世界建築会議を1つの契機として,1つのソーラーモデル棟のデータをもとに,1つのソーラーハウスをイメージし,それらをもとにソーラー集合住宅をイメージし,さらに,1つのスマートシティーとしてのソーラーコミュニティー論へと発展していった次第である(参考資料3)。 2011年にはもう1つの国際会議ALGODE Congressが開催された(参考資料2)。これは本来の日程は,2011年3月14日から開催予定であったが,2011年3月11日に発生した東日本大震災により,その開催が11月へと延期せざるを得なかった。 これら2つの国際会議において発表した,スマートシティーとしてのソーラーコミュニティー論を,以下に紹介したい。 私は,1980年代から,自然エネルギー利用としてのソーラーエネルギー利用の考え方を導入してきている。 今回の提案は,これは戸建てと中低層規模の建屋におけるソーラーエネルギー利用を基本にしている。その発電量に関しては,関東圏において,ソーラーモデル棟を使った7年間に及ぶ実践的実学実習の中で,すでに検証済みである。シミュレーションソフトによる積算予測値と,実測されたソーラー発電量値との間には,十分な相関性が見られた。 実際に,その実績ベースをもとにして,まず1単位の中で構成する。1単位は,戸建てソーラーハウス24世帯+マンション2棟の規模で,計算集計する。 次に,これらを組み合わせて,1ユニットの中では,戸建てソーラーハウス120世帯(24×5単位)+マンション8棟の規模で,計算集計する。 更に,全体ソーラーコミュニティーでは,4ユ実践報告8.2 さらなる方向性について写真9 参加者に説明写真11 サーモカメラ体験写真10 熱伝対の説明写真12 サーモグラフィーの説明     写真13 記念誌の作成

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