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5.壁面緑化(床吹き出し口の近く)においては,夏期の比較的良好な天候の日には30.8~25.2℃の温度域にあり,比較的に寒い日には23.1~22.2℃の温度域であった。 これらの温度測定の結果,暖かい日に屋根部においては十分に集熱効果が期待できているが,縦ダクトに取り込んで後,特に,ch5:パッシブソーラーシステム用縦ダクトの底部から,ch6:床吹き出し口の近くへと行く間に,温度降下が見られた。 これは,床下のメンテナンスのために床下寸法を多く確保したために,床下の気積が大きくなり,それが対流を起こすために,熱損失があると推定された。 その後の対策としては,床下に断熱材を三層約300mmに,積層状態に積み重ねることによって,この部分の熱的効果も期待でき,床下部分の気積も減じることができて,結果としてこの部分のch5→ch6への熱損失を比較的に改善することができた。 建築を面緑化で蔽う考え方は,建築内部のより良い生活環境を提供するためにも,従来から,建築近くに植栽を植えるかたちで,緑環境を提供してきている。 モデル邸の壁面緑化前の状態は,全体的に温度分布が均一となっており壁面全体がほぼ同じ温度であることがわかる。西外壁面も同じ状態となっていた。 モデル棟の東西外壁面に壁面緑化を施工し,太陽光(直射日光)を遮断する。緑化には,断熱性の向上,躯体の保護・建物の耐久性の向上などの長所があると考えられる。 設計条件としては,以下のとおり。・夏至の日の10時から16時までの日差しが入らないようにする(太陽高度62°)。・最上段を開口部の上に設ける。・冬季は日差しが入るようにする。 設計条件を満たす壁面緑化用棚板の寸法は,表4で示す寸法とした。 植物の生育に必要な土壌の厚さを検証するために,合板で深さが90mm・40mm・20mmの三種類のテスト用プラントを作成し,約三週間観察した。観察結果をもとに,土壌の厚さを40mmとした。 使用植物としては,キャンパス内に自生している,高麗芝・コツクシサワゴケ・イヌガラシ・ツユクサ等を使用した。 温熱環境を測定する方法に関しては,以下のとおり。 計測機器としては,面で計測する方法と点で計測する方法の2とおりとした。・サーモビジョン(CPA‐SC640A) 赤外線エネルギー量を測定し,画像化する機器。・熱電対(DATA LOGGER TDS-303) 電位差と温度の性質を利用した温度計測ツール単位:mm東 側西 側  写真3 テスト基盤写真4 施工後のモデル棟-34-土壌厚4040実践報告5.1 考え方5.2 壁面緑化の意味5.3 改善方法5.4 設計条件および土壌厚設定5.5 温熱測定5.5.1 使用機器表4 壁面緑化棚本体の寸法出寸法高さ間隔455800916685

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