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い場合)④ パワハラ,セクハラの相談窓口⑤ 障害を持つ学生の相談窓口 ④のセクハラ,パワハラの相談については,校内の別組織に依頼する。また,⑤の障害を持つ学生の相談については後述する。 相談以外の業務には,下記のような業務が考えられる。① 就職支援教育② 講演会などの企画③ 学生生活や就職に関する情報提供④ 就職支援コーナーの利用⑤ 部活の紹介⑥ 学園祭などの学生自治会活動の支援⑦ カウンセラーと先生との交流会 利用対象者は学生だけでなく,先生や学生自治会も含めたい。 入学当初は,授業内容についていけない学生やクラスの人と話題が合わず孤立する学生など,学校に馴染めないと悩む学生が多い。彼らの悩みを早期にとらえて対処することが,その後に長期欠席する学生や退学する学生を減らす鍵になると思う。 そこで,オリエンテーションで心身の健康についてのアンケート調査を実施したり,導入授業にグループワークを取り入れて学生の様子を観察するなど,カウンセラーがサポートの必要な学生をあらかじめ把握できるとよいと思う。また,カウンセラーのところに相談に行っただけで終わるのでなく,担任や授業担当者に対して改善の手がかりが得られるようにフィードバックする仕組みもあったほうがよい。 このため,学生サポートセンターはカウンセラーやアドバイザーと系の先生方の仲介役になる。関係者が連携することによって,早期に問題を発見し,解決することができると思う。 最近,発達障害をもちながら普通高校を卒業して-17-進学する学生が増えた。なかには発達障害と知らずにこれまで過ごしてきた学生もおり,学生生活をするうちになんとなく不適応を起こしてくる場合もある。彼らが学生生活を送るうえでの問題は,抽象的概念を理解しにくいといった授業内容についての問題やグループ学習などでの人間関係の問題,そして就職の問題がある。授業参加の問題は,授業担当者の工夫やカウンセラーの援助で解決できると思う。しかし,就職については,卒業までに就職できず卒業後本人が苦労している場合が多い。一般の学生と同時期から支援を始めるのでは遅く,早期に障害を受け入れ,彼らにとって苦手な分野の訓練(基本的なマナーや就職の動機づけなど)を行う必要がある。他大学のように学内に専門の部署を持つのは難しいと思うが,障害者職業総合センターのような学外機関と連携する役割を学生サポートセンターが果たせるとよい。 就職支援の問題は,特別な学生だけの問題ではない。昨今の就職戦線は非常に厳しく,多様な選考手段に対応するためには直前の就職準備では間に合わない。キャリア形成論や職業能力開発体系論等の就職支援の授業を実施するほか,放課後の就職対策講座の開催や合同説明会への参加を促すなどの支援が必要である。就職活動の時期までアルバイトやボランティアなどの社会参加の経験がない学生や,学外のイベント参加に尻込みしてしまう学生もいる。日頃から社会参加の機会を見つけられるように講習会などの情報を発信するとともに,自分で決断し積極的に行動できる自己啓発の教育を1,2年生のうちにできるとよいと思う。 最近,入学当初は自己主張もでき輝いていた学生が,半年後には何も言わなくなり周囲の雰囲気に呑まれてしまうケースを何回か見ている。海外生活やボーイスカウトなど,社会で生きるうえで有意義な経験を持っている学生が多い。後輩の学習サポート役や,グループワークのリーダ役を任せるなど,彼らが個性を生かせる機会をつくりたい。提言3.2 系との連携3.3 就職支援と外部機関の利用

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