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3.学生サポートセンターの提案て,セミナーやイベント,ツアーの企画,アルバイトやボランティアなどの情報を提供するS-cube World,学生が思いついた企画を持ち込むことができる投稿ボックスS-cubeBoardなどがある。若者がとりつきやすいコミュニティーサイトの形式を採用しており,学生のより積極的な活動を促す工夫が感じられる。 東京工業大学には各ユニットの案内役の機能をもつ運営部門があり,支援専門員がいろいろな学生支援の総合的な実施に貢献している。学習支援部門では近年問題視されている学生の学力低下に対応するほか,留学生や女子学生などの専用相談窓口を設けて各種相談に応じている。また,先輩が後輩を支援するピアサポートも導入されている。 大阪大学の学生支援ステーションは学生生活相談,進路相談,障害学生支援の3つのユニットの連携をはかる機能をもつ。インテーカーが常駐するコミュニティースペースはランチのためのお茶の用意があるなど,学生が気軽に立ち寄れる窓口になっている。また,自己啓発のためのリーダーシップ養成支援の講座や各種のイベントが開催されている。 そのほかに,厳しい経済事情に対応して学費の相談にのる大学もあるようだ。 これまでの学生相談の経験と他大学の学生サポートの資料をもとに,学生サポートセンターの仕組みを提案したい。同志社大学S-cube総合案内,総合相談S-cubeWorldS-cubeBoardS-cubeNET-16- 一般に学生は進路に悩むと学生生活に不適応を起こしやすく,進路と学生生活は1人の学生に起こっている問題で切り分けて考えにくい。そこで,大阪大学や東京工業大学のように「専門性が必要な相談を行うカウンセラー」の部署と「就職支援を行うアドバイザー」の部署を連携する機能をもつ,学生サポートセンターを提案する。(図1)センターにはインテークの機能を持たせ,必要に応じてカウンセラーやアドバイザーを紹介する。また,カウンセラーとアドバイザー間でリファーを行う場合には仲介役となる。カウンセリングを受けるのは病気と考えて抵抗感がある学生もおり,インテーカーが授業に立会うなど学生と自然に出会う機会をつくれるとよいと思う。 学生サポートセンターでは,センター内で対応可能な学生生活の相談も行う。漠然とした悩みの相談のほか,下記のような相談業務が考えられる。① 担任などには話しにくい相談② 女子学生への対応③  保護者への対応(先生が直接対応しない方がよ表2 先駆的な取り組み信州大学学生支援GPライフスキル支援部門フィールド支援部門発達障害支援部門健康管理支援部門技能と技術 2/20123.1 ワンストップセンターの設置と業務図1 学生サポートセンターの構成

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