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5.取り組み5年間のまとめの手法を「PDCAサイクル」を用いて整理し,「人材育成プラン」に追加して提案を行った。(図3-1,図3-2 高知県設備業(電気工事分野)人材育成プラン参照) 提案した「人材育成プラン」は,各委員から「実際に利用したい」と意見が出るなど好評であった。 また,社団法人高知県設備協会が主催する「平成22年度経営管理者研修会」のテーマとして取り上げられ,「人材育成プランを活用したキャリア構築」について研修を行った。 「平成18年高知県電気工事業人材高度化研究会」から始まった人材育成の取り組みは,現在も継続中である。6年前に作成した「人材育成プラン」は一度の見直しを行ったものの,すべてが陳腐化したわけではなく,基本的な流れは変化していない。やはり業界の基盤となる技術と人材像は長い間をかけて築かれたものであり,人材育成プランはそれを整理し,表現したにすぎないことを実感した。 そして,当初目的として掲げた「自立してコース設定が行えること」は残念ながら難しいことも見えてきた。企業や団体は人材育成で利益を得るのではないため,人材を育成することはコース料金以上に技能と技術 2/2012-10-会社へ負担が掛かる。 しかしながら,団体と協力して人材育成を進めるなかで,お互いの得意分野を確認し,協力しあえば「地域の人材育成」を継続すること,できることも実感できた。やはり,人材育成のニーズ調査やコースの企画などは専門機関である当センター等の職業訓練施設で実施すべきであり,在職者訓練などのメニューを提供することで安定した人材育成を行うことができるのである。 ただし,当センターが単独で人材育成を実施するのではなく,人材育成研究会などを通して団体や関係機関等と積極的に連携し,人材育成プランに基づいて人材育成を実施する意識が大切であることを今回の取り組みで実感した。得意分野だけを提供するのではなく,不得意分野を補い合い,サービスを提供することが地域から望まれる人材育成である。今後も積極的に地域とかかわり,企業や団体,関係機関等と連携して地域ぐるみの人材育成を継続していく。 本稿の作成に当たり,人材高度化研究会を実施しお力添えをいただきました,高知中央電気工事業協同組合の皆さま,また研究会事務局,研究会役員の皆さまへ心より感謝いたします。誠にありがとうございました。

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