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チャージコントローラ3)システム運用による節電効果と問題点 このシステムを毎日運用し、電力使用量の半年間の対前年比を私の個人宅で見てみました。その表は次のとおりです。約20数%の節電になったことがわかります。この節電分には、蛍光灯電球をLED電球に変更した効果等も含まれています。とは言え、思ったよりも良い効果が出たと思っています。 しかし、予期せぬ問題点も出てきました。その問題点は、次のようなことです。①天気の非常に良いときは、バッテリーが満充電状態になり、発電した電力を使いきれず無駄にしてしまう②天気が良い日になるだろうと想定し、昼間にバッテリーにいくつかの負荷をつなぎ電力を使いながら発電をすると、途中で日が陰り、発電量が使用量を下回り、バッテリーが過放電状態(バッテリーの電圧が異常に下がるまで放電を行うこと)になり、バッテリーを劣化させてしまう このような問題は、運用するまで、想定することはできませんでした。上記のような①、②の問題は、ちょうど相反することによるものです。特に②の問題は①を解決しようと試みたためですが、かえってバッテリーの劣化という思わぬ代償をはらわされることになってしまいました。バッテリーが劣化すると、十分に電気を貯めることができず、すぐに満充電状態になってしまい、結果的に公称容量の半分以下のバッテリーになってしまいます。 写真のような、過充電、過放電を監視し、自動的にバッテリーへの充電や、バッテリーからの放電をコントロールしてくれる装置も付けていますが、負荷電流が、10A程度で、300Wのインバータを接続することはできません。また、インバータ電源とAC電源を切り替えたりしてくれる機能もありません。 そこで今回は、これを解決するシステムを考案しました。と言っても特別難しいシステムではなく、ソーラー発電に余裕があるときは、積極的にバッテリー+インバータによる電力を使い、逆にバッテリーの電圧が下がったときには、通常のAC電源に切り替えてやろうというものです。 個人的には、せっかくバッテリーをつないだ蓄電システムにしているので、昼間ためた電力は夜間の使用にも、とっておきたいと思っています。 しかし、発電量を昼間ずっと監視して運用することはできないので、なるべく無駄のないよう電力を使うために、このシステムを作って使うことにしました。つまり、「昼間に余剰の発電があるときは、昼間から積極的に発電した電気を使う」ということです。 4)インバータ電源/AC電源自動切り替えシステム 上記のような考え方で、効率的に電力を使うためには、次のような考え方を導入し、それを自動的に切り換えることにより実現します。実践報告平成22年平成23年前年比77%74%76%73%74%79%71%94%5月分6月分7月分8月分9月分10月分11月分12月分333274347385349267322317電力使用量の対前年比256203264279258212229297削減率23%26%24%28%26%21%29%6%(kWh)−27−

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