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を生かし、木組みによる「伝統木造」を応用展開する(取組みが遅れる天然ムク材による大型木造、防火等の研究開発)。5) 地元側の建設供給体制を整備し、様々なタイプ建物を開発する(気仙型モデル住宅、公共大型木造等)。6) 地元と全国応援団が連携し、幅広い協力体制づくりを推進する(図12)。7) 今後具体化する「環境未来都市」構想と連携する(地元林業を生かした文字通りの「木のまち」の実現、新たな産業と復興まちづくり、再生エネルギー住宅等)(図13)。 震災後、5月と10月に現地に赴き、多数の方々と個別に話し合った(両市長、商工観光部、訓練校、工務店、事務所、第3セクター住宅会社、気仙大工研究者等)(図14)。 現地の方々は目先のことで精一杯で、先が見えない様子であった。行政は職員を相当数失った上に、膨大な仕事に手が回らず、建設業者は多くが被害を受けて手数が足りず、今後を考える余裕ないというのが現況であろう。 地元に受け皿体制がない(かって大工組合があったが現在は職人組合なし)ことから、まず地元が結束し共同で仕事を進める協議会体制の構築が課題と感じられた。 そこで次回2月は、テーブルを囲んで、現地側の体制づくり、気仙学校構想や様々な建物モデルの具体的提案等について話し合いを行い、可能な所から試行できればと考えている。 このプロジェクトは中長期にわたるもので、試みは始まったばかりである。見通しは不定だが、現地と協働し、多くの方々の熱意や力を集めながら、信念を持って前へ進めればと考えている。 震災を契機とした、東北各地域の飛躍と新たな文化の創造、世界への発信が何より待たれている。5.現地との話し合い、今後にむけて−18−【参考サイト、文献等】(1) 「岩手けせん/匠の里」ホームページ(岩手県建築士会大船渡支部、監修:平山憲治)(2) 気仙地域の被災と復興に関する報道、ブログ等(特に、地元の「東海新報」等)(3) 「気仙広域環境未来都市」構想(内閣府「環境未来都市」ホームページ)(4) 秋山恒夫「被災地の未来を担うひとづくり」(日本建築学会シンポジウム『東日本大震災からの教訓、これからの新しい国つくり』梗概集、(社)日本建築学会、2012/3)図14 地元関係者との面談(2011/10訪問時)技能と技術 1/2012大船渡市長陸前高田市長工務店・設計事務所大船渡市商工観光部+気仙訓練校陸前高田訓練校第3セクター住宅会社(住田住宅産業(株))

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