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(4)被災前の状況 復興計画は、大船渡市が2011/10、陸前高田市が遅れて2011/12に策定、地区説明会等を経て具体化の運びにある。復興の目玉として、「気仙広域環境未来都市」構想を政府に申請、12月採択決定され、今後、復興への弾みが期待されている。 被災前、人口は3市町あわせて約7万人。地域に大きな産業はなく、高齢化が進行(60歳以上が約4割)。若者は外へ流れ、人口は減少の一途であった。3市町で「気仙広域連合」を結成しているが、有効な対策を打てないで来た。 産業は、大船渡市はセメントや木材加工の製造業を誘致、陸前高田市は観光等以外特になく、住田町は林業のみであった。従事者の内訳は、第一次の農林漁業はわずか2%のみ、建設業は約14%とやや多い(図8(1))。 若者は、毎年高校生約650人の約77%が外へ進学。就職者は地元に有力企業がないため過半は外へ出てしまい、地元に残るのは半数の80人のみ。建設業は求人がないため数人程度で、後継者はほとんどいないと言う(図8(2))。 訓練校の入校生は毎年数名のみの状況であった。かって出稼ぎが盛んな頃、陸前高田では別に「市立専修職業訓練校」(中卒対象)もあったが1982年に休校した。その後、「気仙高等職業訓練校」(認定校、大船渡市)は普通課程を休科。「大船渡職業能力開発センター」(県立校、大船渡市)、「陸前高田高等職業訓練校」(認定校、陸前高田市)とも、かろうじて毎年数名のみという状況であった。訓練校は、以前の方法では、募集・運営が厳しいと予想される(図9)。 震災後、外への流出が増えているが、地元に留まろうという人も多いと言う。2011/11/1時点で、陸前高田市で1,177人、大船渡市で691人が流出。実際はもっと上回り、3県平均では流出者の8割が30代以下との報道もあった。図9 陸前高田市の訓練校の状況(資料提供:藤原出穂氏)−15−(1)「陸前高田市立専修職業訓練校」の訓練生数の推移図8 気仙広域圏の被災前の状況(作成:秋山)震災復興と職業訓練の取り組み③(1)産業別の従事者数(2004/4)(2)高卒者の近年の進路動向(被災前)(市立訓練校、1982年休校)(2)「陸前高田高等職業訓練校」の訓練生数の推移(認定訓練校、2011年流失)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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