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図10 熱流体解析結果図11 温度遷移のシミュレーション(定常時) さらにストーブ内の熱流体を分析するために、熱流体解析を行い、着火時からの空気の流れと温度分布の遷移シミュレーションを行った。 図10には熱流体解析結果、図11には温度遷移のシミュレーション結果を示す。 シミュレーションの結果から、いくつかの改善ポイントを絞り込んだ。①吸気口の位置及び吸気量の調整(熱流体の滞留から判断)②ロケット・マス・ヒータの断熱効果の向上(温③排煙効率の向上(二次燃焼機構の構築) ほぼ実用化へ向けた方向性が固まったため、年度内の製品化を目指し取組みを進める。 今回の実験では、良く乾燥させた薪(ナラ)一種類のみの燃焼実験であったため、水分を含んだ薪や別の種類の薪でも実験を行い、排煙に含まれる成分分析等を行いながらデータ収集を重ねていく。 小国氏は、自身も被災者でありながら、この1年家族と離れ、技術・技能の修得に励んできた。本人は、震災前にはなかなか時間が取れずに苦慮していた部分が、今回のテーマに取組む過程の中で、様々な課題を解決するための分析力や固有の技術力、そしてそれらをどのように使っていくか、その手法を修得できたことは大きな収穫であり、貴重な経験となったこと。また、その技能と技術で地元地域に貢献できることは大変光栄なことである、との感想であった。 震災から11カ月を迎える中、2月10日には復興庁が発足したが、集落の高台移転やがれきの広域処理など、被災地の現状は未だ解決されない課題が山積し、民生の復旧は勿論であるが、産業活動の復興には長期の年数を要すると思われる。 職業訓練の貢献は、短いスパンで効果の早い技能訓練による復興支援の部分と、長いスパンでの人材育成による復興支援の両面があると思われる。当校も本県や国の復興を支援し、産業活動の活性化に貢献するため、持続的・長期的な視点から、地域で活躍できる将来的なモノづくりリーダーを育成して行くことが使命と考える。 今後、取り巻く社会・経済情勢の変化のスピードはますます加速し、そのような変化に対応できる人材をひとり一人育成していくことが、私たち職業訓練指導員に課せられた責務であり、将来的に復興支援に繋がっていくことを誇りとして努めていく。度差をより有効利用するため)7.今後の取組み−11−震災復興と職業訓練の取り組み②

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