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(1)広域障害者職業センターを併せ持つ障害者  職業能力開発校(2)個々の障害の特性等に対応した職業訓練(3)関係機関と連携した高い就職率 吉備職リハは、職業能力開発促進法に基づく「吉備高原障害者職業能力開発校」と障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく「吉備高原広域障害者職業センター」から構成され、障害者に対して一貫した職業リハビリテーションを実施しています。 吉備職リハの大きな特長は、障害者に対する職業訓練を行う障害者職業能力開発校としての機能と障害者に対する職業評価、職業指導等を行う広域障害者職業センターとしての機能を併せ持っており、職業訓練指導員と障害者職業カウンセラーを配置して、職業訓練及び職業指導・職業評価等双方のノウハウを活かしながら障害の重度化、多様化に対応した先導的な職業訓練等を実施していることです。 なお、吉備職リハと同様の機能・役割を有する施設としては国立職業リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)があります。 入所者は障害の種類・程度、年齢、学歴、職歴等が多様なことから、入所後は職業評価または導入訓練を実施し、個々人の障害特性、職業上の課題・目標等を把握した上で個別支援計画・訓練カリキュラムを策定し職業訓練を行っています。 また、障害に対応してできるだけ職業訓練受講の機会を多くするため、障害別に年間9回の入所の機会を設定しています。入所の機会は身体障害のある方が年5回、知的障害のある方が年2回、精神障害・高次脳機能障害・発達障害のある方が年2回となっています。 入所者が職業訓練等を通じて就職できるようにするため、入所後は就職に必要な職業適性や職業能力等について職業評価または導入訓練により把握するとともに、その結果を踏まえた個別の支援計画・訓練カリキュラムに沿って職業訓練、職業指導・就職支援を行います。 また、就職支援に当たっては模擬面接の実施、入所者の就職活動の際の同行はじめ事業所に障害の理解を促すとともに、就職の可能性がある場合は、事業所の職務に合わせた職業訓練を先ず施設内で行い、その結果を踏まえて企業内での訓練を実施し就職につなげていきます(「企業連携職業訓練」という)。 障害者の就職支援においては、本人への支援と同様に障害者の受け入れを検討している事業所への働きかけ(事業主支援)も重要です。事業主に対しては訓練成果を写真や動画、訓練作品等により説明するほか、障害者の受け入れに当たっての配慮事項等についてできるだけ分かりやすく説明します。さらに、できるだけ事業主に実際の訓練の様子を見ていただくとともに、職場実習などを通じて受け入れに際して抱く雇用管理面の不安や採用への不安等を払拭するように努めています。 就職支援は主に各地域のハローワークや障害者職業センターと連携して行うほか、吉備職リハだけでは就職に向けた課題解決・対応ができない場合もありますので医療・福祉等の関係機関とも連携した支援を行うことを基本としています。 このような取り組みの結果、近年の厳しい雇用情勢の中において平均約9割の就職率を維持しています(平成20年度〜平成22年度)。2.吉備職リハの特長技能と技術 4/2011−14−

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