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図1 かなテクカレッジ若年者訓練への取り組みについて① 神奈川県では、平成16年2月に「高等職業技術校再編整備計画」を策定し、当時、小規模専門校として10校1分校あった高等職業技術校を県の東西バランスを考慮し2校に再編成することとなった。 このうち東部総合職業技術校については、平成16年度から整備を進め、大規模・総合型の新しい職業技術校として、「かなテクカレッジ」の愛称で平成20年4月に開校した。 訓練コースは、工業技術、建築技術、社会サービスの3分野15コースが設置され、このうち、チャレンジプロダクトコースは、東部総合職業技術校の看板コースであり、新たな訓練方法を導入した日本版デュアルシステムとして開設された。本稿は、チャレンジプロダクトコースの開設と実施について報告する。 神奈川県では、若年者に対する能力開発の新たな取り組みとして、国の施策として推進されてきた「日本版デュアルシステム」を導入し、平成18年・平成19年の2年間、神奈川県立川崎高等職業技術校京浜分校でエキスパート養成コースプロダクトおよび電気コースとして実施した。 その後、神奈川県の「高等職業技術校再編整備計画」により、平成20年3月末に川崎高等職業技術校京浜分校が閉校し、平成20年4月に東部総合職業技術校が開校することとなったが、エキスパート養成コースを引き継ぎ、新たにチャレンジプロダクトコースとしてスタートすることとなった。 工業系の製造業においては、従業員の世代交代期を迎え、将来、企業の中心として活躍できる人材の確保が課題となっている。具体的には、「ものづくり」を一生の仕事として従事しようとしている意欲ある若年者や多能な技能者としてのスキルを持ち合わせた若年者を求めている。 しかしながら、若年者の就労に関しては、働くことへの関心・意欲の低下、早期離職の増加傾向などが現象として起きている。 そこで、現在、仕事に就いてない若年者、就労経験が少ない若年者、パート、アルバイト等の不安定な就労を繰り返している若年者を対象に地域産業である工業系製造業で働く、魅力ある「ものづくり」技能者を育成する訓練コースの設定が必要となった。 チャレンジプロダクトコースは、「ものづくり」人1 はじめに2 コース設定の経緯3 訓練コース開設の目的神奈川県立東部総合職業技術校 江尻 浩司・金子 雅哉−1− チャレンジプロダクトコース(日本版デュアルシステム)の開設と実施

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