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④効果の確認⑤傾向管理図9 ビジョンに関する実行宣言図10 不良部分のドリル穴条件抽出実験を行うにあたっては、従来の特性要因図を使用せず、特性と因子・水準図というものを用いる。特性に影響を与える因子について水準の一元配置を行い、実験計画表を作成する。実験のかたよりを防止するためランダムサンプリング法を用いて実験を行い、ばらつきを見るために検定分布図を求める。同一条件での最適条件抽出実験を繰り返すことにより、検定分布図から平均値とばらつきの検定を行う。ここでは、因子の水準によるばらつきを評価し、モノづくりの最適条件を求める力を育成する。 最適条件と検定されたものについて、効果の確認を行う。効果の確認は、工程能力値(Cp、Cpk)で評価し、不適合率の判定を行う。ここでは、良いモノができる条件(作業標準)を求める力を育成する。 管理限界線(UCL、LCL)を記入した管理用管理図(X、R管理図)を作成する。この管理図により品質の管理を行う。また、改善を行う際には設計段階まで遡り実行する。 実際に、オーダーメイドカリキュラムとして5源主義手法による改善活動を行った例を示す。 テーマは「ドリルの曲がりによる面粗さ不良の改善」であり、フライス工程における不良発生により、加工損失に与える影響が大きいことから、面粗さ不良の原因追求と是正改善を行ったものである。 はじめに改善の効果を測る意味から、不良個数に関する重点指向を行うためにパレート図を作成する。ここで、テーマの選定理由を明確にし、図9に示すような改善に向けた実行宣言を書く。 次に三現主義による現物の分析を行う。図10に示すように、不良部分のドリル穴が見えにくいので、見易くするために、図11のように不良部分を切断し、傷がどのようなものであるかを徹底的に分析し、評価することにより、不良の相手を特定する。 傷を分析し事実の証明ができたら、動作メカニズムの分析に入る。動作メカニズムの分析では不良が発生する瞬間を捉えることが重要となる。 フライス工程の動作から、ドリルが不良部分に接していることや、加工時にどのような動作メカニズムをとるか、ドリルの性質を調べて不良を出す要因を分析してく。7.オーダーメイドカリキュラムへの応用技能と技術 3/2011−26−

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