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図7 分析手法修得のイメージ①三現主義(現場・現物・現実)②動作メカニズム(全体の流れ)③最適条件抽出実験(シミュレーション)図8 5源主義手法の進め方手順解析や高速度カメラ等による分析)する。次に課題の内容により各手法を適用する。品質の改善では5源主義手法を活用する。これら、分析手法についての修得イメージを図7に示す。 IE、QCの内容に加え、課題達成型に用いるVE手法では、①ティアダウン手法による同業他社品の部品・機能の分解(分析)、②ベンチマーキング手法を活用して異業種の基本機能分析を行うことによるモノづくり研究を取り入れている。 さらにSE手法では、①製造と販売が一体となったモノづくりや、②一気通貫(システム)のモノづくり研究について取り組むこととしている。 固有技術はこれらの管理技術における分析の区別化を行うための技術に位置付けている。 図8には5源主義手法の進め方手順を示す。問題が起こった際のファクト・コントロールを実行していくためには、①現場で②現物を③現実的に、といういわゆる三現主義が大切であるといわれている。さらに三現主義に基づく行動を裏打ちするために、④原理、⑤原則を加えた5ゲン主義が必要となっている。 専攻科では「ゲン」を「源」としている。これは、モノづくりの流れにおいて、研究・開発を源流、設計を上流とした場合、量産工程で発生した問題であっても、現物分析にVE手法を加え、開発・設計段階(源流側)まで遡り、改善を実行していく、という考え方によるものである。改善の流れは以下のようになる。 設備が作る不良について、パレート分析により対象物の絞り込みを行う。仮説ではなく、現場で現物を現実に観るという三現主義による分析からスタートする。パレート図による事実の細分化により相手を特定し、SEMや高速度カメラ等の分析装置を活用することにより事実の証明を行う。ここでは、現物の観察をし、分析力を育成する。 INからOUTまでの流れ分析として、発生の瞬間を捉え、因子の特定を行う。この際、IE手法や動作分析(ビデオ撮影、部品展開、CADシミュレーション等)を行う。そこで、ヒストグラムによる設計とばらつきの解析により評価する。ここでは、分析された結果を基に、動作メカニズムを解明し、その不良の発生源のばらつきとそのメカニズムを分析する力を育成する。 動作メカニズムが解明できたならば、ばらつきの因子について最適条件の抽出実験を行う。この最適6.5源主義手法による品質の改善について−25−実践報告②

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