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図2 専攻科が目指すベクトル表1 専攻科の募集概要 モノづくりの流れにおけるこれらの手法を修得するために、オーダーメイドカリキュラム連携企業から、実際に生産している現場を提供していただき、現場改善の進め方を実践している。 また、品質の改善では「5源主義改善手法」という新しい手法を導入し、実際の生産現場において事例を盛り込みながら、改善技術と開発力を養成している。現物分析により動作メカニズムを解明し、相手の特定を行う。次に特性と因子・水準図から実験計画法(ランダムサンプリング法)を作成し、検定分布図を求める。ここで最適な条件における工程能力値(Cp、Cpk)を求める。この工程能力値を判定し、良いモノができる条件(作業標準)を求める。その条件のもとで管理図(UCL、LCL)による管理を行う。最終的に、モノづくりの源流である設計段階まで遡り改善を実行するといった流れとなる。 表1には産業技術専攻科の募集概要を示す。募集は3期に分けて実施している。募集区分は設けていないが、概ね第1期は新規学卒者対象、第2期は新規学卒者と企業派遣生対象、第3期は企業派遣生対象と見込んでいる。 当初は本校短大課程からの進学生だけを想定していたが、3年目を迎えた頃から他県の短大校卒業者も入学するようになっている。 企業から派遣されて来られる方の年齢は、20代〜40代と様々である。企業に於いては要職を担っている方もおり、新規学卒者にとって就職に臨む姿勢や社会人としての心構えを勉強できることは勿論のこと、企業派遣生にとっても刺激になるところが大きく、それが教育訓練について、いい意味での相乗効果をもたらしている。 講師陣として、生産管理・品質保証技術分野は企業において実際にデミング賞受賞を指導された生産革新部門の方にお願いしている。 固有技術、学術的分野については「岩手大学工学部」の教授・准教授を始めとして、企業の第一線で該当の業務にあたっておられる方を加えている。また、専門的分野の講義や実技、技術相談などの協力、分析・解析分野では「県工業技術センター」と、さらに3次元データの取り扱い、ハイエンド3D-CADを始めとしたデジタルエンジニアリング分野では「いわてデジタルエンジニア育成センター」などの機関とも連携を図り、効果的な教育訓練を行える環境を構築している。 本稿は、これまでの取り組み状況の概要と、今後の方針について報告するものである。 オーダーメイドカリキュラムの実施にあたっては、進め方や機密保持等の関係から、本校、企業、本人の3者間で覚書を締結し、企業側からも指導(相談)担当者を選出していただく。月に一回以上の三3.進め方の手順について−21−実践報告②

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