3/2011
16/49

図1 電子情報技術科の人財育成イメージ−14− 平成21年度に新設された電子情報技術科では組込み機器に代表される様々な電子機器開発に関する基礎技術を習得するため、ハードウェア、ソフトウェア、通信ネットワークといった広範囲な技術領域を複合的に習得するカリキュラムで教育訓練を実施している。人間関係や進路に対する悩みを抱え、モチベーションや知識・技術レベルの異なる入校生に対して、適切な目標設定と動機付けを行ない学生相互間や教員との良好な人間関係を構築することは、短大生活を円滑に行い、技術を習得していく上で重要となる。そこで、本校、電子情報技術科では入校生の良好な人間関係の形成、および2年間の科目全体の構成と技術要素を俯瞰させ今後の短大生活が円滑に行えるよう平成21年からものづくり体験実習を含む導入教育を実施している。本稿ではその実施内容について報告する。 本校、電子情報技術科の人材育成イメージを図1に示す。ソフトウェア開発、ハードウェア開発、通信ネットワークを核とした総合力を身に付ける内容となっている。1年次には、社会人・技術者基礎力の習得を目指し、数学、英語、物理といった基礎科目、プレゼンテーション技術や安全衛生工学などを受講する。また、キャリア形成を促進させ、職業意識を高める目的で職業社会論、キャリア形成論などの科目がある。2年次には専門基礎力をベースにし組込み機器制作実習、総合制作実習など応用力を身に付ける内容となっている。技術要素が多く、科目間の関連性、必要性などが入校生にとっては理解しにくい。また、ものづくりを主体とした専門応用実習が2年時にあるため、入校生はものづくりの醍醐味を体験することが難しいなど課題が多い。 図2に平成23年度の電子情報技術科1年生23名に行ったアンケート結果を示す。全体の8割程度は何らかの不安を感じていることが分かる。不安の要因としては、進路や進級、勉強に関すること、人間関係などが多い。これらの不安をできるだけ早く解消し、学ぶ意欲を高める必要がある。1.はじめに2.カリキュラムと課題3.入校時の課題と導入教育の目標秋田職業能力開発短期大学校 渡邉 茂、谷地 健治、徳田 孝明、庄林 雅了技能と技術 3/2011 電子情報技術科における導入教育の取り組み

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る