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図2 サンプル教材3.1 映像型技能伝承教材とは パソコンを使った映像型技能伝承教材とはどのようなものかを以下に示す。基本はパワーポイントに静止画、動画、文章、イラスト等を貼り付けたものである。これを学習者が自ら順を追って学習していくものである。当然このような教材を制作するには、パワーポイントを使えるという条件が必要になるがそれほど難しいものではない。図1は順を追って一枚ずつ進んでいくスタイルだが、途中補足説明が必要であれば、リンク機能で補足説明に入り元に戻るというスタイルも可能である。学習の流れとしては、まず作業の全体像をつむため、必要な道工具、最低限必要な能力要件、どのようになれば良いのかうな教材を作るひとつの方法として、上述のようにベテランに聞いてみる、つまりインタビューするというものがある。 時間とカネを掛ければそれだけ効果的な教材ができるかもしれないが、それだけの余裕はないという現場がほとんどである。企業の技能伝承では、コストを掛けずに、現場の作業者が日常業務の中で教材作成出来る実力を養うことが大事と考えた。近年、デジタルカメラというものが一般化し、従来文字ばかりであった作業手順書に写真を添えて分かりやすくしたものができるようになった。確かに文字だけより写真やイラストがあれば視覚的に訴える情報は多い。しかし、その静止画が動けば、つまり動画であればさらに情報量の多いものになる。作業手順書つまり書面であれば、動画は入らない。パソコンを使えば、どうか。現在の若者はパソコンに対しての拒絶反応はない。うまく使って良いものを作れば興味を持って取り組むのではと考えた。一般的なソフトであるパワーポイントを使い、動画入りの映像型技能伝承教材を制作すれば、コストを掛けない効果的なものになる。このような視点から2日間研修として実施した「現場で役立つ技能伝承方法」について以下に述べる。1.タイトル6.作業総括7.全体像11.作業33-2図1 映像型技能伝承教材のスタイルという判断基準を学び、どういう作業であるのかという作業の総括、全体像を学習する。その後、実際の作業を行いながらその手順およびカン・コツ部分を知り、その作業がマスターできるように学んでいくものである。教材としては一般的なソフトであるパワーポイントのみを使って制作することが、時間を掛けない、低コストにつながる訳で、さらに分かりやすくするためにアニメーションソフトを使ったりして、必要以上に凝るというのはその趣旨から避けるべきである。 職場での作業内容は多岐にわたるため、研修では制作方法の基本を理解する上で、誰でも知っている「りんごの皮むき作業」で制作したサンプル教材を研修の導入部で提示する。その一部が図2であるが、全体では14枚のシートからなっている。14枚の内、動作を伴う部分については動画となっている。図2の2枚のシートは動画である。映像型技能伝承教材と呼んでいるものがどういうものかを、受講者が最初に理解することにより以後の研修をスムーズに進めることができる。 その後、教材の制作手順の解説に入る。手順とし2.全体像3.道工具8.作業19.作業212.作業44.能力要件5.判断基準10.作業33-113.作業53 現場で役立つ技能伝承とは4 サンプル教材での制作方法の理解技能と技術 2/2011−2−

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