2/2011
36/42

図1 敷地全景(中央を横切る道路の上下区画)技能と技術 2/2011図2 本館棟エントランス 長野県の工業は、時代の変化に対応して、製糸業、精密機械産業、電子・情報機器産業、と主要業種の形態を巧みに変えながら発展してきました。平成21年の工業統計表(経済産業省)では、県の製造業出荷額は約5兆円で、47都道府県中19位となっています。産業別出荷額割合では、情報通信機械器具の1兆2千億弱をトップに、電気・電子部品、各種機械関係、輸送用機械と続き、これらを合計すると全体の7割近くとなります。これは、長野県の業種構造の特徴となっており、このうち情報通信機械器具製造業は全国1位、電子部品デバイス電子回路関係は全国3位の出荷額を誇っています。 また、これらの産業を構成する個々の企業の技術力の高さには定評があります。特に諏訪市で毎年開催される諏訪圏工業メッセには、国内だけでなく海外からも商談取引に来場者があり、地方で開催される工業展としては異例の知名度と注目度の高さがあります。 本校は、このような工業界を支える高度な人材供給に対する要望を受け、平成7年4月に職業能力開発促進法に基づいて県の東に位置する上田市のリサーチパーク内に開校しました。以来16年、平成23年3月までに1200人を超える卒業生を送り出し、県内企業に対する人材供給の使命を着実に果たしてきています。 本校が育成目標とする人材は、実践技術者(専門的な技術知識とものづくりに関する幅広い高度な技能を併せ持ち、豊かな想像力と優れた行動力を兼ね備えた課題解決型の人材)と呼ばれ、工学系の大学や技術専門校による人材とは一線を画す存在です。現在、県内の業種構造を踏まえて、生産技術科、制御技術科、電子技術科、情報技術科の4学科(1学科1学年20名定員)による教育訓練を行っています。各学科に共通する教育の特徴としては、以下のような項目が挙げられます。1.はじめに2.長野県工科短期大学校の業務概要長野県工科短期大学校 校長 藤井 恒男−34− 長野県工科短期大学校

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る