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図1 岐阜県立国際たくみアカデミー 職業能力開発校 本館校舎 専門高校や職業訓練校などで技能を学ぶ学生や訓練生の技能修得意欲を増進させ、技能および職業に関する教育訓練の成果に対する社会一般の評価を高めることを目的とし、現在、3級技能検定が実施されている(1)。平成22年度、岐阜県立国際たくみアカデミー職業能力開発校 住宅建築科で、初めての試みとして、生徒がこの検定に挑んだ。この間の検定受検に向けての取り組みを報告する。 県立国際たくみアカデミーは、日本の真中の「へそ」にあたる岐阜県にあり、その中でも木曽川のほとり、旧中山道の宿場町太田宿として栄えた美濃加茂市に位置する。当アカデミーは、職業能力開発短期大学校と職業能力開発校(図1)より構成され、当科は短期課程として職業能力開発校に設置されている。当科は、昭和58年の建築科を発端に、科の見直し等を経て県内の建築大工技能者養成校の一つとして現在にいたっている。 当科のカリキュラムは、木造建築を中心に、時代の変化に対応した様々な工法と関連技術を学ぶことを目的とし、大工道具の手入れ、扱い方から模擬家屋の建築および壁、床、天井などの内装施工、模擬家屋の解体など新築からリフォームまでの実践的な訓練を実施している。従来まで当科で取得できる資格は、福祉住環境コーディネーター、小型建設機械講習、玉掛け技能講習およびガス溶接技能講習であったが、来年度より入校生の3級技能検定全員受検を実施する。その前の試行として、今年度は、技能検定を希望者に実施することとした。 今年度、住宅建築科の入校生は、新規中卒4名・高卒6名、離転職者(50〜60歳台)6名の計16名である。このうち技能検定受検希望者である6名(高卒3名、離転職者3名(うち1名は2級))が受検した。 今年度の技能検定のスケジュールは、学科が実技より先行して行われるために、先に学科講習を実施した。学科講習に要した時間は、学科試験当日の3日前、実質6時間である。これは、建築大工技能検定が後期日程で行われることから、入校してから約10ヶ月間建築大工作業に携わり、訓練の蓄積があると考えためである。学科講習では、中央職業能力開発協会編の3級技能検定試験問題集を過去に振り返り3年分実施した。過去問題を見ると、いくつ1.はじめに2.本校住宅建築科の概要3.学科試験の取り組み技能と技術 2/2011−26−岐阜県立国際たくみアカデミー 職業能力開発校 住宅建築科 石田 敏郎 3級技能検定(建築大工)の取り組み

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