2/2011
23/42

▲第4回公開講座「伝統構法の架構学と模型実験」(2009/8)増田一眞(増田建築構造事務所、NPO伝統木構造の会会長)▲第9回公開講座「宮大工直井棟梁の講演と大工道具の実演」(2010/7)直井光男(宮大工、建築直井)▲第10回公開講座「数寄屋の伝統と聚楽壁の実演」(2010/10)中村昌生((財)京都伝統建築技術協会理事長)、杉森義信(京左官研究所)図11 2009〜2010年度の「公開講座」内容(計11回)−21−図12 公開講座の実施例(2009〜2010)技能伝承の取り組みについて④ その一環として、2009年度、「壁フレームの縮小模型実験」、2010年度「筋交いフレームと通し貫フレームの実大比較実験」を実施し、目で実感できる実験として多大な効果があった。 その他、地域の伝統技術を掘り起こすために、「地域調査」、「伝統建築研究」等を設け、「本棟造りの調査」、「民家の改修・再生方法」等の学習を行った。 ふだん講義できない点を補うために、年数回、「公開講座」を行っており、これらは受講生に大きな刺激機会と視野の拡大に効果があった。3)実技 実技では、「道具づくり」、「工作実習」、「規矩術実習」、「施工実習」等の科目を各コースに設け、それなりの効果を上げている。 現在、住宅現場では、経験年数や国家技能検定「建築大工」合格の有無にかかわらず、手工具で刻んだり、木組みだけの「伝統木構法」の施工経験が非常に少ないだけに、道具使いを含め、基礎技能や応用技能の面で貴重な訓練機会となっている。 実習の総まとめとして、実際の建物建設を行う「施工実習」を設定している。2009年は、新伝統構法による「車庫又は倉庫」を組合会館敷地に建設した。 2010年は、諏訪大社上社の裏山の城趾跡に、地元森林組合の協力(木材、敷地の提供)を得て、独自考案の「東屋」を建設した。山中の木材を事前伐採・天然乾燥したものを使用した他、丸太足場は当日小径木を伐採してそのまま使うなど、野性味あふれ、中堅大工が腕を試す格好の機会となった。4)地域研修旅行 見聞を拡大するために、「地域研修旅行」(1泊2日)を各コースで実施した。2009年は南木曾方面を、2010年は白川郷・高山方面を訪れた。各地に残る伝統構法建物、製材工場、古寺や地域民家の改修現場等を見学し、見聞を拡大すると共に親睦を深めた。5)公開講座 特別授業として、年数回、「公開講座」を実施した。この公開講座は、毎回趣向が異なるが、県内外の著名講師(大工棟梁、職人、設計者、実務家、研究者等)を招き、講演、展示、実演、実験等、方法を問

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る