2/2011
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1.中小企業のものづくり経営の特質と指導すべき熟練技能2.生産現場の管理とその改善1)受け持ち現場の管理と改善 本テーマでは①中小企業の体質と構造②事業と業務プロセスの一般的な総論と中小企業へ出向いて教えるマネジメントの内容について3時間あまり講義した。講義終了後、受講生は5グループに分かれ、“ものづくり技能継承を円滑に進めるためには"と題して参加型の訓練に1時間程度取り組んだ。 このテーマでは5S・3定をマネジメントの側面であるQCDの視点から1時間程度講義し、職場改善事例を提案すると共にグループ学習を実施した。グループ学習では“5Sを実行すると、工場にどのような効果をもたらすか”と題して1時間程度取り組んだ。さらに、生産活動の遂行・作業日報を基にした実績報告と、F.B.Gilbrethによって開発されたサーブリック法により人間の動作を分析しECRSに着眼した作業改善の進め方について講義し、作業効率を求める演習を行った。2)生産の流れを作る現場改善 このテーマでは現場改善の一般論として①生産の工程編成②セル生産方式③平準化④多工程持ち⑤多台持ちについて講義を行い、具体例としてある会社のサイクルタイム、ラインの工程数、編成効率およびバランスロスについての演習を1時間程度実施した。3)現場の在庫管理手法 このテーマでは在庫管理の代表的な手法として①定期発注方式②定量発注方式(発注点法)③定量発注方式において発注点在庫量と発注量を一致させたダブルビン法、ならびに、在庫管理のポイントについて講義をし、演習として経済的発注量の計算を実施した。4)工場現場の経費とコストダウン このテーマでは、原価計算の基礎、損益分岐点分析、原価低減へのアプローチについて講義を行い、具体例として自動車メーカーをとりあげ財務諸表(貸借対照表、損益計算書)を概観した。ま3.技能指導の原則 本テーマでは、良い訓練の定義と指導項目の明確化および指導項目を見つけるポイントについて以下の内容にて講義を行った。1)良い訓練とはた、アイスブレークを兼ね、業務における損失の違いを考えるため、「行列のできるラーメン屋」と「普通のラーメン屋」に例えて演習を実施した。5)オペレーションマネジメントの手法 このテーマでは、①生産管理の方法論②品質管理の方法論③マネジメント方法論の講義を行った。生産管理については、①生産形態②工程管理③詳細計画④生産統制⑤生産管理方式についての概要を説明した後に、単一機械スケジューリングで優先順位の決定方法を変える演習を実施した。品質管理については、受講生から、テキストよりも少し詳しく説明して欲しいとの要望が出されたので、QC七つ道具について増強し、新QC七つ道具、QCサークルでの問題解決について補足した。 良い訓練については様々な示し方があるが、“訓練生が抱えている課題を解決するために必要な能力を習得できる訓練”であると集約することができる。良い訓練を行うためには次の手順を系統立てて計画する必要がある。・「何を」指導するか。・「どのように」指導するか・「どの手順で」指導するか2)指導項目の明確化2) 前述の「何を」が指導項目であり、「どのように」および「どの手順で」が指導案に記述する“展開”に相当する。この指導項目を適切に設定することが良い訓練を行うための基本である。 そこで、指導項目をはっきりと表現するために、以下の方法による視点について説明した。①行動の目的の視点②作業の成功基準の視点③能力からの視点④知識と実践のギャップを埋める視点−9−技能伝承の取り組みについて②

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