1/2011
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意見が食い違い,最終面接や内定後に問題が起きることがあるため,学生本人とその家族の希望に合った仕事に就いてもらうための情報を得ることが大切である。 夏休みが明けるとすぐに,職種に対する意識の持ち方が曖昧であった学生の順に,ひと月に16人のペースで面談を行う計画を立てて実施した。このときは,学務援助課の就職支援担当者も加わり3者面談とし,宿題の内容の確認を主に行った。図4に示すように,保護者との意見の食い違いや,相談することで職種の方向性を変えたいなどの状況の変化に,新たに職種の提案や企業のリストアップをさせることで対応した。また,宿題に不備がある場合や,改善すべき点があれば,2~3週間後に面談にてチェックを行った。併せて就職支援サイトの登録をさせ,企業のリストアップができている学生についてはエントリー,できていない者については,最低何社という具体的数を提示しサイト内の企業も改めてリストアップしてもらった。 また,面接時にアピールするための図面や実習作品の写真集などツール作成に取り組むように指示した。 これとほぼ並行して,自己分析のやり方や就職活動のポイント,履歴書の書き方,筆記試験などの説明や,模擬面接によるアドバイスが「キャリア形成論」という授業のなかで行われた。 この時期に特に重要なのが自己分析であると思う。これには一般的な手法を用いた。自分の過去の棚卸であり,楽しかったこと,苦しかったこと,嬉しかったことなどをあげることや,主観的および客観的な自分の性格について把握すること,クラブ活動や趣味,アルバイトなどで一生懸命頑張って何が得られたかなどについて書き出してもらった。実際にはその時やったこと,気持ちなどを忘れており,思い出すのに時間がかかるうえに文章構成力,表現力に乏しいため,後々面談にて話を引き出しながらまとめていくための基データとして取り扱った。 また,履歴書も書いてもらった。しかし,この段階では授業にて一度説明を受けただけの状態であったこと,自己分析がしっかりできていないこともあり,自己分析とともに,これを良いものに仕上げていくための段階へと移行した。 年が明けると,本格的な就職活動が始まる時期であるため,就職支援サイトでリストアップした企業については,どんどんエントリーするように指示をした。ここで注意したのは,エントリーを行う際に記入する内容を確認し,私に知らせることであった。これはなぜかといえば,近年の企業はエントリー時に自己アピールや得意科目,趣味などや,一風変わった質問に応えさせる場合があり,学生が,これに安易に応えてしまわないように,そして,しっかりした文章でエントリー内容をまとめさせる指導を行うためである。 一方,リストアップ企業ができない学生には,会うたびに声をかけることを続けた。このころから少しずつ企業からの求人票も届きだし,対応する学生への紹介を始めた。また,求人は出ていないが,気になっている会社については電話等により求人の予技能と技術2.2 就職活動の事前準備図4 初面談の宿題と結果への対応42.3 エントリーへの対応

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