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5.太陽光発電システムの総合運転試験I PVI SCIPVVPV制御用PCプログラマブル直流電源太陽電池模擬電源システムパワーコンディショナインバータ主回路PWM信号iac製作した制御回路iac*DSP図12 総合運転試験回路の構成ファンクションジェネレータバイポーラ電源商用電力系統模擬電源システム29■■■■ISC=0.75 A■■■■■■ISC■■■■■■■■ る。これに伴ってPPVも増加し,0.4s程度で約16.5Wに落ち着いている。この値はPmax(=17.3W)とほぼ一致している。図11(b)は計算開始からの時間tが0.5s~1.0sの間だけISCを0.5Aとした場合の結果である。これは,太陽の日射量が一時的に低下した場合を想定している。電流ISCが低下した直後から,PPVが制御され,約10W程度となっている。これは,ISC=0.5Aに対するPmax(=11.1W)に近い値といえる。さらに,ISCが0.75Aに復帰した際も,PPVが最大値に近い値に制御されていることが確認できる。 実際に製作した系統連系PWMインバータにMPPT制御機能を付加したパワーコンディショナの動作試験を実施する。 図12に試験回路の構成を示す。本試験回路は,太陽電池模擬電源システム,商用電力系統模擬電源システムおよびパワーコンディショナで構成されている。パワーコンディショナと商用電力系統模擬電源との間に負荷を接続することも可能であるが,本報では,負荷を接続しない場合について説明する。この場合,太陽電池側で発生した電力はすべて商用電力系統側に流入することになる。 太陽電池には太陽電池模擬電源システム(SPEC90160,菊水電子)を用いる。本電源システムは,プログラマブル直流電源と制御用PCとで構成される。図13(a)にその外観を示す。制御用PCを用いて太陽電池のVPV-IPV特性を設定すると,直流電源がその特性のとおりの出力をする。図13(b)に設定したVPV-IPV特性の例を示す。これは図2(a)の特性に合わせて設定したものである。本システムで設定した特性は,このようにPCのディスプレイ上に表示される。運転中の動作点をリアルタイムで表示することもできる。VPV-IPV特性は同時に5種類まで登録でき,所定の時刻に自動的に切り換えることも可能である。 商用電力系統を模擬する電源は,太陽電池模擬電源システムからパワーコンディショナを介して流入してくる電力を吸収できなければならない。本教材では,バイポーラ電源(HSA4014,NF)を用いる。本電源は一種の電力増幅器であり,出力電圧はファンクションジェネレータからの信号を増幅することで発生させる。ファンクションジェネレータとしてはマルチファンクションシンセサイザ(WF1946A,NF)を用いる。図14は商用電力系統模擬電源システムの写真である。(A) 0 35 V PV(V) 0 20 P PV(W) (A) 0 20 P PV(W) 0 図11 パワーコンディショナのシミュレーション結果1/20111 0 0 1.5 1 0 1.5 vac■■■t(s) ■■■t(s)

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