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3.太陽光発電システム VP P力電商用電力系統I4I3I2I1I0P1P0 発電電力PPVはIPV=IOPにおいて最大値Pmaxとなる。発電電力PPVがPmaxとなるときの電圧および電流を最適動作電圧VOPおよび最適動作電流IOPと呼ぶ。図2に示すように,ISCが変化すると,すなわち日射量が変化するとPPV-IPV特性も変化する。日射量が低下し,ISCが減少すると,Pmaxの値も減少する。このときIOPも低くなるが,VOPはほとんど変化しない。図2(a)の場合,VOC=30.8V,Pmax=17.3W,VOP=25.0V,IOP=0.69Aである。図2(b)の場合は,VOC=29.9V,Pmax=11.1W,VOP=24.1V,IOP=0.46Aである。太陽光発電システムにおいては,常にPPVをPmaxとなるように運転することが望ましいと言える。 本教材が対象とする太陽光発電システムの構成やパワーコンディショナの機能について理解する必要がある。それらについて以下にまとめる。 図3に一般家庭用の太陽光発電システムの構成例を示す(7)(8)。太陽電池で発電された直流電力は,接続箱を介してパワーコンディショナに送られ,交流電力に変換される。パワーコンディショナは分電盤に接続される。分電盤には一般の負荷が接続されており,太陽電池で発電された電力が供給される。現在,一般家庭用の太陽光発電システムは,商用電力系統と連系し,余剰分を系統側へ逆潮流させる方式をとっている。商用電力系統には,分電盤から売電用および買電用積算電力量計を介して接続される。 パワーコンディショナは,系統連系インバータとしての機能以外に,以下に示す機能を備えている(6)(8)。 ① 直流/交流変換(インバータ)機能 ② 力率制御機能 ③ 最大電力点追従(MPPT)制御機能 ④ 自動運転停止機能 ⑤ 過不足電圧検出機能 ⑥ 周波数上昇低下検出機能 ⑦ 単独運転防止機能 ⑧ 自動電圧調整機能 ⑨ 直流検出機能 ⑩ 直流地絡検出機能 前報で説明した系統連系PWMインバータは,上記①および②の機能を有している(3)。本教材は,さらに③の最大電力点追従(MPPT)制御機能を追加する。 2.2節で述べたとおり,太陽光発電システムの運転においては,太陽電池の発電電力PPVが常に最大値Pmaxとなるようにすることが望ましい。この機能を最大電力点追従(MPPT)制御という。MPPT制御の方法にはいくつかあるが,本教材では,「山登り法」と呼ばれる方法を適用する。 図4のPPV-IPV特性を使って,山登り法について説明する。パワーコンディショナの起動時のIPVをI0とする。このときのPPVはP0である。次に,電流IPVを増加させ,IPV=I1となるように制御する。このときのPPVはP1となる。ここでP0とP1とを比25電流 I PV パワーコンディショナ分電盤一般負荷売電用積算電力量計買電用積算電力量計3.1 システム構成接続箱太陽電池図3 太陽光発電システムの構成例1/20113.2 パワーコンディショナの機能3.3 最大電力点追従(MPPT)制御(6)図4 山登り法の説明図P3P4P2

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