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291.はじめに2.就職率5期連続100%を達成神奈川センター星野  実表1 CAD/CAM技術科の就職動向退所者就職者数訓練関連就職者数224201515151515(定員,入所者数ともに15名)でも,就職に比較的有利な20代の男性が1人決まらない。修了後2ヵ月もかかり景気に左右されない鉄道関連のメーカに決まった。50社近くへのアプローチ後だった(修了後3ヵ月までの就職決定を就職者数としてカウントする)。特集 雇用・能力開発機構 神奈川センター(ポリテクセンター関東)では,CAD/CAM技術科という6ヵ月の求職者訓練を実施している。訓練課題による成果物(金型等)や,その報告書を活用した就職活動により,今まで入所した5期75名全員の就職を達成している。①訓練課題により“ものづくり”の楽しさを知り,技能習得意欲の向上を図れた。②訓練課題の完成による自信となり,就職意欲の高まりにつながった。③訓練課題による成果物や報告書は,習得技能や発想力(設計)の“見える化”となり就職挑戦企業へのアピールとなった。本稿は,「就職活動の取り組み」および「訓練課題」について報告する。 今までの修了全5期の就職の動向は,表1のとおりである。1期生は,新設科であるためスタートで苦戦したが,リアルタイムでの就職活動方針や計画の見直しに成功し全員の就職を決めることができた。2期生から4期生までは,PDCAサイクル(5.PDCAサイクルで説明)を回すことにより順調に進んだ。なかでも3期生は,修了日まで1ヵ月を残して全員が訓練関連での就職を決めた。企業に請われて修了前に退所する就職退所者も4名と多かった。しかし,5期生は苦戦した。サブプライムローン問題に端を発した景気の後退をまともに受けた。なか1/2011 CAD/CAM技術科は,定員15名で平成18年7月に発足した。入所当初から訓練生に対し,個別指導によるキャリアシートの作成支援,履歴書・職務経歴書のチェック,企業合同面接会などを順次行った。ねらいどおりに就職意欲は高まり活動も活発となった。しかし,書類選考がなかなか突破できず,面接に辿りつけない。いつの間にか就職活動で30連敗していた。クラスの雰囲気は悪くなり,訓練に身が入らない。「どうせ就職できないのだから訓練を受けてもしょうがない」と言い出す訓練生も出てきた。就職活動の見直しをせまられた。 そこで,次のような問題を抽出した。① 在職者訓練を中心としていたため“企業と就職先としての関係”をほとんど築いていなかった。期入所年月就職による118年7月219年1月319年7月420年1月520年7月就職率(%)13131513131001001001001002.1 就職率の動向2.2 新設科の就職活動(1期生)⑴ 就職活動の失敗   就職支援の取り組みについて~5期連続就職率100%の要因~訓練課題を活用した離職者訓練の実践

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