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5.面接での自己PR7.おわりに6.課題極度な緊張を回避するなどの利点も持っていると思う。 この志望動機についても,就職支援では,時間が相当かかり,また,学生と支援者の双方に根気がかなり必要であるが,相当不足していると感じている。 面接の練習で時々「自己紹介をしてください」「自己PRしてください」とザックリ言う場合がある。そうするとほとんどの学生が,何をどのように話せばよいかわからなくなる。それはどうしてであろうか。私が思うに,1つは,面接の質問がある程度具体的な場合が多いため,その質問形式にしか対応できていないのが原因だと考えている。もう1つは,自分について話すことすべてが自己PRであるということに学生が気づいていないことも原因であると思う。面接の練習ではまずこのことに気づかせる必要がある。そして,さまざまなエピソードの中から最も自分を現す,最もアピールしたい事柄・出来事について話せるようにすることが大切であると思う。 企業が学生に求めていることは,端的にいえば,どのような壁にぶつかり,どのように対処し,どのような結果を出し,どのようなことを学び,それを今の生活にどう生かしており,将来にどのようなビジョンを持っているのかであるといえる。そして企業は面接の際,履歴書を書くときに作り上げたエピソードの中に学生本来の人間性を見いだすのである。面接ではいかに具体的なエピソードを話すことができるかにかかっていると思う。 以上,時系列で私が行った2年間の就職支援を紹8介したが,支援を行うタイミングなどについて業種によっては当てはまらない部分が多々あることは承知している。ここでは,私が就職支援を行うに当たり,今後改善していく必要があると感じた点をあげる。・業界を構成しているさまざまな職種について詳しく紹介しているツールがなく,学生にとってその理解が難しいこと。・就職活動の費用を捻出するのも難しい学生に対する支援をどうするのか。・不採用が続き,就職活動恐怖症に陥ってしまう前に学生をメンタル面で支えること。 2年を通して就職支援を行ってきたが,最も重要なのは,1分でも30秒の立ち話しでも日々,学生とコミュニケーションをとることであると感じた。就職戦線は刻々とその状況を変化させ,就職活動をする者の行く先があっという間になくなっていく。そのなかで活動状況や就職に対する悩み,問題点を見いだし,対策を打つスピードが必要であると思う。このスピードを早めるためには,逐一学生の状況を把握するしかなく,他の指導員や就職担当職員による声かけなどの協力なくしては不可能な作業である。 就職支援をしなければならない学生の数を考えるとかなり大変な作業になることは必至である。しかし,若者たちに職についてもらうことは使命の1つである。学生が幸せな職業生活を送るためにどのように彼らを導けばよいのかを考える必要があるが,この答えに正解が1つであることはない。学生1人ひとりに対応したコーチングが必要であることには間違いはないし忘れてはならない。技能と技術

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