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1432る33.プリント基板の製作単3×22SC26702kOSC(赤)0.01μ330k1k4700p470.01μ0.01μIFT(白)22kIFT(黒)2SC267027k0.01μ10μ3300.01μ1004710μ0.01μ100μ10μVR110KTA7368P100μ100μ1SS1080.01μ3V⑸ AMラジオの製作図5 AMラジオの回路図写真5 AMラジオの製作物4/2010トランスによるパワーMOSFETのドライブ法などである。 図5に回路図を,写真5に製作物を示す。 この製作の目的は,同調型高周波発振回路,直並列共振回路,同調回路,周波数変換回路の原理と働き,ヘテロダイン受信方式,検波回路と整流回路,受信感度の調整方法などである。 すべての製作に共通するのは,電子回路結線図を,プリント基板として実現する力をつける,プリントパターンおよび基板製作実習である。 電子部品の規格書と実物を参考に部品パターンを製作し,次に回路図を見ながら配線パターンを基板の大きさの中に収めるように引いていく。電流容量やノイズの関係からパターンに制限が入るところもあり,試行錯誤が続くことになる。比較的時間が掛かる面倒な作業であるが,毎年大半の学生が熱心に取り組んでおり,なかには残って作業を続ける学生もいる。慣れてくると座学で授業を聴くよりは,自分で考えながらできるのが面白いし楽しいという学生もいる。 最初のパターン製作実習は1年次の前期集中実習になるが,パターン製作に全実習時間の半分くらいの時間をかけている。これはパターンを引くことによって身につけてほしい下記のような目的があるためである。⑴ 部品パターンを製作することにより電子回路部品を知り慣れる⑵ 結線図における電子部品の記号と実物を結びつける⑶ 電子回路部品の形,特性から部品の配置を考え⑷ パワー素子におけるヒートシンク等,結線図にない部品の必要性を知る⑸ 電子回路結線図を立体的に見る力をつける⑹ 許容電流値からパターン幅に変化つけることができるようにする⑺ グラウンドパターンの取り方の重要性を知る パターン完成後は,結線図どおりに配線ができているか,全員のパターンをチェックし,誤っている箇所があれば指摘する。指摘した学生の大半は,どう修正すればよいか聞いてくるので,授業の目的を説いて,修正を考えさせる。私が考えたパターンより良いパターンを引く学生もいて,センスの良さ,器用さに感心することもある。 2年次後半の総合制作では,ほぼ全員が自力でパターンを引き,露光,エッチングしてプリント基板を製作できるようになっている。 列車制御継電連動装置を製作する,ある信号機器メーカで,数基のリレー架に数種類数百個のリレーを取り付け配線している社員の人が,「自分が作っている物がどういう動きをするのかはよく知りませんが,設計図を頂ければ,早く正確にそして見栄え良く組み上げる自信があります。これが仕事ですか

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