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*との比較5.おわりに図11 主回路の動作波形(運転開始直前)図12 主回路の動作波形(運転開始中)すべき正しい電流指令値が生成されていることが確認される。一方,交流電流実測値iacとその*を比較すると,実電流指令値iacは指令値に対して一致していないことが確認される。これは,インバータは電流iacをコントロールしようとして主回路の半導体をスイッチングさせるが,直流側の電圧Vdcの大きさが交流側電圧vacの大きさよりも低いた*にめ,実電流iacが指令であるiac追従できないでいる状態である。つまり,この段階においては正常な動作波形といえる。学習者が作成した制御回路を主回路に接続した際,図11の動作波形が確認できない場合には,制御回路内の配線ミスや制御回路と主回路の接続ミスが考えられる。よって,この場合には運転試験を中断し,誤動作の原因を明らかにした後に,再度運転試験に臨む必要がある。 図12は,通常運転中の正常な主回路動作波形例である。すなわち,直流部の電源を投入してvdcを30Vに上昇させたときの波形である。ここでの主な確認事項は,次のとおりである。1)交流電流実測値iacとその指令値iac 実電流は指令値に対して位相遅れや振幅減衰が発生することなく追従しているか否か。2)交流電圧の位相信号であるvac0とiacの比較 両者の位相は一致しているか否か。 図12に示す波形の例では,設計・製作した系統連系PWMインバータによって,高調波含有率の少ない正弦波電流を力率1で系統に逆潮流する制御が行えていることが確認される。4/2010⑴ 稲葉聡:「力率補償付き正弦波PWMコンバータの設計製作」,平成17年度職業能力開発総合大学校電気システム工学科卒業論文,2006年3月⑵ ハチャンダーナッタポン:「太陽光発電システムの実験装置の開発」,平成18年度職業能力開発総合大学校電気システム工学科卒業論文,2007年3月 本稿では,太陽光発電システム実習用教材の開発における系統連系PWMインバータの設計・製作・試験について述べた。次号では,太陽光発電とそのMPPT制御について報告し,本教材を総括する予定である。最後に,卒業研究として系統連系PWMインバータのプロトタイプ開発に寄与した稲葉聡氏(現,静岡県職業訓練指導員)に謝意を表する。29<参考文献>

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