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9.おわりに8.今後の課題とまとめ<参考文献>科課題の結果も内容に盛り込むこともあわせて検討している。 今のところ就職に直接つながったという事例はないが,職業訓練技能習得確認資料が訓練生の再就職に当たり,強力なツールの1つになるよう,改良を重ねていく所存である。 もう一点は,学科課題実施に関する取り組みで,当科の訓練内容と能力開発研究センターが公開している「組込みマイコン開発に関する基礎知識」の設問内容がほぼ一致していることから,この課題を使用して学科に関する習得度測定を実施し,知識面における習得度を確認している。C言語に関する知識を問うものが設問内容の中に含まれているため,実施は実技課題と同時期ではなく,C言語の基本をマスターした訓練4ヵ月目終了時としている。 学科課題についても,当科で実施している訓練内容を踏まえ,マイコン制御システムの開発に最低限必要な知識が盛り込まれるよう,内容を見直していく予定である。 今後の課題として,求人企業へのヒアリングを実施し,ニーズを拾い出したうえで,実技課題に関しては,実際のシステムにより近づけ,できる限りシンプルにして実施時間を短縮すること,学科課題に関しては,マイコン制御システム開発において,最低限必要な知識の習得度が確認できるよう,設問を工夫すること,習得度測定で得られた成果の「見える化」をさらに進め,訓練生の就職支援のツールになるよう職業訓練技能習得確認資料の改善を行うことなどがあげられる。 また,現在,習得度測定は3ヵ月ごとに実施しているが,平成21年度より実施している職業訓練教育61)森口肇・塩田達彦・永井潜弥:「組込マイコン(制御)技術科における習得度測定課題の実証と検討」, 第17回職業能力開発研究発表講演会予稿集 pp135-1362)独立行政法人情報処理推進機構 統計情報3)2009年度版組込みソフトウェア産業実態調査報告書 経済産業省4)2009年版ものづくり白書 経済産業省,厚生労働省,文部科学省ガイドラインに基づき,訓練の質を保証するため,例えば,1ヵ月終了ごとに実施するなど,きめ細やかに実施することも検討する必要があると考える。 1ヵ月のシステムごとに習得度測定を実施することにより,ほかの技術要素においても,訓練生の技能・知識の習得度が確認でき,その結果をフィードバックすることにより,効果的で質の高い訓練が実施できるのではないかと考える。 今回の実証を踏まえ,実施した習得度測定課題に求人企業のニーズを採り入れ,「仕事」を意識した内容を検討し,6ヵ月間という短い期間において,より効果的な訓練を実施し,訓練生の就職率アップにつなげていきたい。また,習得度測定実施結果を就職活動のツールとして使用するだけでなく,訓練にフィードバックし,当科の訓練の質をより高めていく必要がある。そのなかで,当該訓練分野における習得度測定課題のスタンダードを構築し,情報提供していきたいと考える。 組込マイコン(制御)技術科における習得度測定課題の検討から実施,実証,現在の状況と今後の課題を報告した。 本報告に対し,関係各位から忌憚のない御意見,また,御指導,御鞭撻をいただければ幸いである。技能と技術

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