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4.個々の技能者が習得する技能量の予測0図5 標準偏差 s が異なる場合の損失の傾向響影るえ与に価評が量れずのらか値標目(b)損失による評価計合の失損のとご法寸計合の点減のとご法寸図4 標準偏差 s が異なる場合の採点基準の傾向(a)減点による評価A B C 104.1 技能量の予測の方法14012010080604020010D E F 図6 各寸法のずれ量と評価に与える影響の大きさの要因効果I J L M N 技能と技術横軸:k2横軸:k2s= kΔ / 3s = k / 3 Δ10をあわせて表3に示す。ただし,採点基準は公表できないため,割り付けた寸法と課題図の寸法の対応は明示しない。 標準偏差sによる評価の傾向を,採点基準による減点の変化について図4に,損失関数により求めた損失の変化について図5に示す。ここで,先述した図3は,係数k2における図4および図5の相関図である。図4,5とも係数k2が大きくなると減点の傾向が漸化する。これは,寸法ごとの減点に上限を定めているためである。図4において,係数k2が3~4にかけての減点の増加の立ち上がりが急であることから,この範囲をしきい値とした合否判定ができることがわかる。図5では,標準偏差sに対する損失の変化は全体的に緩やかである。これは技能の定量的な評価に都合がよい。 次に,許容差設計を用いて重要寸法の導出を行った。係数k2=3のとき,表3の36とおりの組み合わせから得られる技能の評価を分散分析して要因効果を求め,図6に示す。縦軸は目標値からのばらつきが評価に与える影響の大きさを,横軸は表3の寸法を示す。図(a)の破線で囲む寸法I,J は,他の寸法よりも影響が大きい。また,正負のばらつきに対する評価も異なる。これは,合否を決定する可能性のある重要な寸法といえる。一方,図(b)では寸法ごとの評価の差異はなく,許容差Δの大きさに応じた評価である。これも技能の定量的な評価に都合がよい。 前章にて,現在の技能量の定量的な評価法を示した。次に個々の技能者の将来における技能量の予測について述べる。現在までの技能の習得過程から得られる技能量の予測値と将来の結果の差は,これから行う改善の効果として,改善の機能性評価に用いることができると考えられる。これは,個々の技能者の考察のため,受験予備校などが算出する大学合格率とは根本的に異なる。 本章では,実技課題に対して個々の受検者が取り組んだ過程を5項目からなる多次元情報のパターン140120100806040200横軸:k2s = k / 3 Δ24682468GHKOP0

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