2/2010
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作成,他部署へのコピー用紙,用度品の発送などがある。依頼したり・されたり,事業所の職場を想定した作業課題を実施することにより,技能面,対人関係,コミュニケーション能力などを習得することを狙っている。 職場実習や事業所からの情報では,環境の変化,コミュニケーション能力の不足,障害の症状にもよるが(本人特有の)作業手順書づくり等,障害者が抱える課題は多い。修了生と事業所が一緒になって課題解決に向けて取り組み,職場改善を図ることで,障害者の活躍する職場が広がっていく。 特に,就労経験のない学卒者や在宅生活が長いまたは施設生活が長い障害者などは,仕事の体験を訓練現場でいかに体験することができるかによって,環境変化への対応では重要な要素となる。 今までの訓練生の中には,次のような理由で作業系の訓練内容そのものも避けていたことはないだろうか。・障害のため,動作が鈍い。・上肢がうまく使えない。・うまく話すことができない。 補助具の開発や体の使い方の工夫などを考えて,行動することにより,作業領域の拡大や自信を掴む手がかりとなることが多いのではないか。 実際,業務レベルで使えない代償手段でも,本人が納得できるよう十分時間を取り,補助具や代償方法などを数多く経験させることは,就職後の新らしい職場環境で障害を克服して作業を遂行するうえで,非常に有益となっている。 ビジネスマネジメント科オフィースコースでは,コピー用紙,プリンタートナー,ケーブル等,事業所で使用される用度品の保管管理を想定し,用度品管理および整理の訓練を実施している。 保管棚の組み立て,倉庫内のレイアウト,用度品の陳列方法など,倉庫内の管理業務全般にわたり,訓練生に運営させている。 用度品管理作業を通して,訓練生が作業能力をどれだけ発揮できるか体験することになる。訓練生が習得できる内容としては,具体的に次のようなことがあげられる。・車椅子使用の訓練生であっても,自分ができる作業はどのようなことがあるか。・手が届くところは床面から何cmのところまでか。・棚板何cm奥まで手が届き,用度品を取り出せるか。・今まで,用度品のメーカ,型番等を見たこともなかったが,カタログを見開き,どういうものなのかを本人自身で確認できる。・用度品を見てメーカがわからなければ,品物と型番をインターネットで調べ探し出す。・手の届かないところは,手の届く他の訓練生にお願いをする。 用度品管理の作業を通して,自分ができるありとあらゆるものを模索・体験することにより,「事務職=パソコン」のようなイメージを打開し,「事務職=なんでも屋」のイメージを持たせることで,就職に際しての職域の拡大にもつながる。また,単純な作業であっても,未経験の作業を行うことで事業所での「戸惑い」,「不安」,「疑問」などが軽減できる。さらに,数名の訓練生がグループで作業を行うため,コミュニケーション能力,自発性,協調性などを養うことができる。技能と技術⑵ 補助具と代償手段写真2 物品管理・整理実習4⑶ 用度品管理作業

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