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8.コイル巻上げ装置最後にす。 したがって,それほど長時間流し続けるのでなければ,上記表の値を超えたとしても,十分安全に機能させることはできると思います。ただ,どの線の太さならどこまで許容できるかなども,実験して経験値として蓄えていくしかないと思います。なお,ポリウレタン線の許容温度は130度です。100度でも素手では触れない温度ですから,触れないほど熱くてもまだ,許容できる温度の場合である可能性もありますので,ここもきちんと測定して限界値を見極める必要があります。 ちなみに,メーカが示している許容電流値では発熱することはほとんどありません。 装置というほど大げさではありませんが,コイルをきちんと密にきれい巻くには,写真4のような巻上げ装置を作ると意外に簡単にしっかり巻くことができます。 20:1程度のギアードモータの出力軸に電磁石の鉄心を固定して回転させるだけです。このとき重要なことは,モータの正転と逆転をできるように切り替えスイッチをつけておくことです。これがあると,ちょっとした巻きトラブルに対処できます。また,モータを回すためのスイッチはフットスイッチにしておくと,さらに便利です。巻くときには両手がふさがってしまう(片手でもできなくはないが)ので,やはり,トラブル時にすぐにスイッチを切れる状態にしておくと便利だからです。巻き上げの回転スピードは最初は1秒1回転程度のゆっくりとした巻上げで行っていましたが,最近は慣れてきたので,1秒2回転ぐらいかそれ以上で巻いています。 いかがでしたでしょうか。もっと詳しく説明したいところもあったのですが,紙面の都合上,これぐらいにしておきたいと思います。小学校で行うポピュラーな製作実験ではありますが,実はかなり奥が深いことに気づかされます。私がこれまでに作成した電磁石の例を示すことをあえてしませんでしたが,ぜひ,一から挑戦してみていただきたいと思います。指数α=300を超えることは十分可能だとだけ言っておきたいと思います。 学生を対象に,電磁石α指数コンテストなどを実施してみるのも,おもしろいかもしれません。35写真4 電磁石巻上げ装置2/2010

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