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2.ビジネスマネジメント科1.はじめに11特集 国立職業リハビリテーションセンター(以下「職リハセンター」という。)では,身体障害をはじめ,発達障害,高次脳機能障害,精神障害等を有する障害者を積極的に受け入れ,各種障害の症状やその程度に対応した,指導技法の開発,ノウハウの蓄積に努めるとともに,訓練生がスムースに就職できるよう各種の訓練に取り組んでいる。 職リハセンターでは,訓練生が就職する際に,指導員やカウンセラーが事業所へ出向き,訓練生個々の能力や障害状況に応じた「職場環境の整備」,「仕事の職務分析・設計」,「指導方法等の援助」を行うことがある。また事業所においても,修了生の職場定着に向け,職場環境の改善や職務創出等,積極的に取り組まれている。 訓練生は就職することにより,訓練生を取り巻く環境が,職業訓練の環境から事業所での作業環境へと大きく変わる。そのため,職リハセンターでは,企業ニーズに合わせて企業内訓練と施設内訓練を組み合わせて,企業連携訓練の取り組みを進めている。 修了生のフォローアップなど修了後の状況の把握にも努めているが,修了生や事業所から得た情報では,就職当初,技能面,コミュニケーション,環境変化などに課題を抱えている事例が多い。 そこで,ビジネスマネジメント科では,訓練期間中の企業委託実習や修了後の新しい職場でよりス2/2010ムースに職場環境や仕事に慣れるため,就労(即戦力)を目指した職場模擬実習に取り組んでいるので報告する。 ビジネスマネジメント科では,高次脳機能障害や精神障害者等さまざまな障害を有する者を多数受け入れており,訓練生個々の能力,障害特性や程度に応じて,個別の訓練目標や訓練計画等を作成し,事務に関する知識・技能の付与を行い,就職を目指している。 将来,事務系職種への就職を目指す訓練生は,ワープロ,表計算,プレゼンテーション等の各種アプリケーションソフトを活用したコンピュータの基礎技能を習得する。また,各コースごとに簿記,税写真1 オフィスワークコース訓練風景国立職業リハビリテーションセンター神崎 剛志特集障害者に対する職業能力開発の現状とその課題障害者に対する職業能力開発-就労に向けた事務系職場模擬実習の取り組み-

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