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5.総合住宅建築コースの訓練概要訓練受講生の達成感も大きかった。 初めての若年者デュアルコースであり,また福祉の分野を取り入れたことなど,指導員としても手探り部分も多かったが,施設内の実習としては満足度の高いものであった。 しかしながら,地域における福祉住環境コーディネーターとしての求人数は少なく,訓練生の希望就職先も建築に関連するものが多かった。 また訓練生から福祉施設での企業実習(主に介護の補助)の問題点などがあげられた。 また,前提として,住宅建築の基本的な作業や知識が必要であり,その応用としてリフォーム知識を付加することが,より実践的な訓練内容ではないかと考えた。 このような点より,平成20年度より,福祉とリフォームを中心とした内容から住宅の施工を中心とした内容とし,基礎から仕上げまでの住宅建築全体を網羅した総合住宅建築コースとし,企業実習先も建設業として実施した。 若年者のデュアル訓練では企業実習が約1.5ヵ月あり,企業実習後にフォローアップ訓練が3ユニット(9日間)ある。したがって,入所からの4ヵ月間が実質的に施設内訓練の時間となる。 表1にカリキュラム概要を示す。最初の1ヵ月で建築の基本的な知識,建築計画,図面の知識などの習得を行っている。 このため実習の時間は完成まで3ヵ月となり内容としては内装,外装の仕上げ工事を含め,給水,給湯,排水管の施工,電気配線および照明器具の取り付けを行い,風呂,トイレ,キッチン,洗面,換気扇などを実際に使用できる状態に施工する総合的な訓練課題である。 21年度の計画ではカリキュラムの変更は行っていない。しかしながら20年度の実習は基礎からすべて施工したため,全体の訓練における実習作業量が多く,工程を間に合わせるため,訓練終了後に指導員が未完成の部分の作業を継続して行うことなどが必要であった。 21年度の実習では,既設の軸組み,材料を利用するなど,実習時の作業量を無理のないように調整した。このことにより訓練生の経験・能力の差などで,作業の進行度合いに違いが生じても対応できるように行っている。技能と技術写真1 福祉用洗面台,トイレ施工写真2 福祉機器の取扱実習18表1 カリキュラム概要(7月入所生)訓練内容建築基礎および計画,建築製図基礎,大工作業,下地,床外壁,給排水設備電気設備,内装仕上げ(機器取付)企業実習企業実習,フォローアップ7月8月9月10月11月12月

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