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3.就職へ向けての目標1.はじめに4.訓練カリキュラムの経過2.訓練計画の立案 秋田センターで実施している「住宅リフォーム技術科(総合住宅建築コース)」の計画と訓練実施の検証と課題について報告する。 秋田県における求人状況は大変厳しく,建設業の求人のなかで特定の職種に関する求人数が多いわけではなく,より多能工的な人材が求められている。 また県内の新築住宅の着工件数の伸び悩みはあるが,国内でも高い高齢化率である本県では,改築,福祉に関連したリフォームの増加などがある。これらの点を検討しカリキュラムを作成した。また,既存の住宅サービス科との差別化も検討した。 前述の多能工的人材が求められるなか,住宅が着工して引き渡しに至る工程には,多くの職種にかかわる工事があり,それぞれの専門業者が工事にかかわっている。住宅が完成するまでの工程の間には,電気,ガス,給排水,電話等の工程が並行して入ることになる。また内装仕上げ施工後には設備機器,照明器具などの取り付けが行われる。リフォーム工事のうち,最近はCO2削減対策にも関連する,オール電化などの知名度も上がり,従来の設備機器の入れ替えを行うことも多くなっている。施工だけでなく設計,営業や提案を行うときにも電気,照明,水回りの設備に関する知識も重要な要素となっている。しかしながら,この点において住宅リフォーム2/2010技術科および住宅サービス科のモデルカリキュラムでは屋内配線,室内照明などについて導入されていないため独自コースとしての設定とした。 住宅建築において「新築工事だけでなく,設備も含めたメンテナンスやリフォーム工事および設計,営業などに関する,幅広い職種が見込まれる。そこで総合的な実習を行うことにより若年者が建築に関連する仕事に就職する糸口になれることを目標とした。 訓練生が建設業関連の経験者であっても,経験がない部分において知識の積み上げができ,将来的に施工管理技士などの住宅建築現場における中心的な立場になることも可能であると考えた。 平成19年度より若年者デュアルコースがスタートし初年度に実施した訓練内容は,福祉の知識とリフォームの施工を経験したうえで福祉住環境コーディネーターを目指した仕上がり像であり,企業実習先も福祉施設などとして実施した。 写真1に示すように福祉を前提としたリフォームの内容として,間取りの変更や扉,設備機器を福祉専用のものに据え付けるなどの実習を行った。また,写真2に示すように,車いすなども準備し施工後に障害者の立場でのリフォーム結果を体験することができ,訓練生にとっても大変有意義な結果であり,17雇用・能力開発機構山梨センター伊藤 敬二雇用・能力開発機構秋田センター松下 貴博・山下  仁井上  舞・田熊 義行四国職業能力開発大学校越智 隆行職業能力開発総合大学校東京校小林  健「住宅リフォーム技術科(総合住宅建築コース)」の計画と実施の取り組み実践報告PDCAサイクルに基づく居住系における若年者デュアルコース

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