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4.2009年短期派遣での業務3.3 業務状況図3 スカラ型ハンドロボット424.1 業務概要図4 プレゼンテーションの様子な日程を決めてもらい,残った時間を第三国研修の視察およびプレゼンテーションの準備に充てることにした。 具体的な業務内容について紹介をする。まず,1項のスカラ型ロボットの改善提案である。第三国研修で製作しているスカラ型ロボットは,図3に示すものである。C/Pから,このロボットの問題点として,まず「動作をさせているとモータ軸とカラーを締結している止めネジがよくゆるむので,そのつど分解して締め直している」「動作をさせていると,減速機付DCサーボモータの減速機部分のバックラッシュがどんどん増大していく」ということが提示された。図3の4自由度のスカラ型ロボットの各回転軸の固定は,減速機付DCサーボモータの減速機出力軸に直接差し込み,六角穴付止めネジ一本のみで固定されている。この2点の問題は,片加重の重たいものを減速機の軸のみで支えていれば,当然起きてくる問題なので,軸部の支えにスラスト軸受の追加と,止めネジでの軸の固定からキーを使用した軸の固定への変更を提案した。また,物をつかむハンド部は,RCサーボと簡単なリンクによる開閉機構となっていた。C/Pから提示されたこの部分の問題点は,「つかむ力が小さいので,100gの物すら持ち上げることができない」とのことであった。用いられていたリンク機構では,平行移動しなくてはならない2つのハンドがきちんと平行に開閉できていなかったので,ラックアンドピニオン機構を用いたものへと設計変更を行ってもらった。 以上の改善提案について,実際のロボットに対して改善を施せれば一番良かったのであるが,C/Pと一緒に作業を行えた時間は,実質丸5日間しかなかった。そのため,部品や材料の手配,機械加工の時間などを取ることができなかった。よって,改善点を既存のCAD図面の中に盛り込むまでしか行うことができなかった。 次に,2項のプレゼンテーションでは,筆者が当時在籍していた,北海道職業能力開発大学校で参加していた「ロボット・トライアスロン競技会」への学生の取り組みや大会での成果等を紹介した。CNAD講師の皆さんや第三国研修生を始め,他の研修生や事務の方々など,非常に多くの方に聴講していただけた。また,プレゼンテーション後にとても活発な質疑応答となったところをみると,大変興味を持って聴講いただけたと思う。 2007年に引き続き,同じ施設で,かつ,ほぼ同じ内容での派遣であった。具体的には,前回同様スカラ型ロボットの改善提案,第三国研修のコース内容および運営に関する改善提案,ならびにC/Pへの技術移転である。前回との違いは,C/Pへの技術移転として,二足歩行ロボットの歩行制御,組み込みマ技能と技術

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